どうやら私には、他人より文才があるらしい。

だから私は、"なろう系"が書けない

　私の作品を読んだことのある方なら、お察しかもしれませんが、私は異世界転生や悪役令嬢もの……いわゆる"なろう系"の小説が書けません。

　理由は簡単で、転生先でお馴染みのゲームの知識がないからです。

　世代的には小さい頃からテレビゲームがあって当たり前の世代なのですが、私の家にはゲーム機本体がありませんでした。

　親戚の家や、友達の家にはありましたが、母がゲームにあまりいい印象を持ってなかったんです。

　その代わり、漫画雑誌『ちゃお』は毎月買ってもらってました。

　なので、ゲームをする機会があまりなく、年の離れた兄が初めてPS2を買ったのが最初の家にあるゲーム機。

　私はほとんど触らせてもらえず、ドラクエⅦやバイオハザードやってる兄のプレイを後ろから観ているだけです。

　たまに、先に進めなくて困っている兄に、私が別ルートがあると気づいて「こっちにも道がるよ」って、口を出す程度。

　4つある石版のマークを「お前半分覚えておけ」って、メモがわりに使われたりしましたが、やはりほとんどの時間プレイするのは兄なので、私のゲームに対する知識は全く育ちませんでした。

(RPG＝壺やタルを勝手に割って、薬草とか手に入れるゲーム……という事だけは覚えた)

　しかも兄が進学で実家から出る時に、いつの間にかPS2は売りに出され、幼い私は自分で思う存分プレイする機会を完全に失いました。

　その後、DS(ドンキで買った何故か逆輸入のアメリカ版)を自分のお小遣いで買うまで、ゲーム機はありません。

　幼少期にゲームにあまり触れてこなかったので、RPGの知識がないんです。

　それ故に、恋愛シミュレーション系も、通ってきませんでした。(友人がテニプリの学園祭やってるのを後ろから観てただけ)

　戦う系のゲーム(スマブラとかドラゴンボールバトル)はスキル無いので、すぐ死にます。

　私がやってたのは『テトリス』とか『ぷよぷよ』のパズル系だし、ノベルゲーム系は携帯アプリで『逆転裁判』や『歪みの国のアリス』くらい。

『マリオカート』は、下手すぎたのですぐコースから外れます。(レインボーロードとかゴールできない)

　後にWiiUをBOOKOFFのクレーンゲーム(番号ついたカプセルを落とすと景品もらえるやつ)でゲットした時、買って練習しました。

　普通の人並みには操作できるようになりましたが、これ以降もゲームはあまりしてきませんでした。

　そんな私が、ナーロッパの世界なんて描けるはずがない。

　だから、書かないんです。

　異世界ファンタジー……書きたくても書けないのです。

　書ける人を、羨ましく思います。

　PV数とか、読者数が多いからめっちゃ凄そうだし……レビューの星もバンバン入ってるんだろうな……

　なので、私は現代ファンタジーに走りました。

　あやかしとか、妖怪ファンタジー……和風のほうがしっくり来るんですよ。

　後宮なら、韓流フュージョン史劇をめちゃくちゃ観てたので、書けるんですけど……それに比べると、西洋風がどうしても弱いんです。

　社会の選択教科も、日本史だったし……

　なので、いわゆる"なろう系"は書けない。

　あやかしや妖怪ものが書けるのは、『犬夜叉』『地獄先生ぬ〜べ〜』『夏目友人帳』などのこれまで観てきたアニメや漫画の影響です。

　図書館で借りて読んでいた少女向け小説はミステリだったし、友達から『少年陰陽師』を借りて読んでたので、ゲームから影響を受けるということが少なかったわけです。

　しかも、カクヨムで試し読みしたホラー小説『異端の祝祭』から、「私もこんな小説が書きたい」と感銘を受けて、ホラーに手を出しはじめました。

　それからは所謂WEB小説の系譜からは、どんどん離れていきました。

　最近では、大好きな『名探偵コナン』や『金田一少年の事件簿』の影響で幼い頃からミステリが好きだったりするので、ミステリにも手を出してみたり……さよなら、異世界ファンタジー！転生も転移もざまぁもよくわからん！！状態です。

　なので、今はホラーやミステリ、少女漫画っぽいラブコメを書くようになりました。

　異世界ファンタジーは書いても、中華風ファンタジーか、完全に自分オリジナルルールの西洋風世界の話になってしまいます。

　私はWEB小説としては過疎ジャンルで生きていく。

　だから私は、"なろう系"が、書けない。

　そういう事なのです。