流転する太陽　〜逃亡者編〜

　人物や風景などの描写が丁寧で物語も引き込まれます。世界観も独特で、戦闘は凄まじいダークファンタジーです。

圧倒的に練られた世界観で、古き良き洋ダークファンタジーのような小説。

多角的な視点で描かれて、少し複雑な気もするかもしれませんが、9話まで見ると一気に物語が動き始めます。

主人公の圧倒的な強さと恐怖が動き出すと、オーバー〇ードのようなダークな爽快感を味わえます。

残酷でダークなファンタジー好きにおススメです！

主人公は魔物の少女、デルグレーネ
魔世界デーモニアを皮切りに、残酷で儚く、美しくもある世界
それらを過不足ない描写と品格さえ感じさせる文体で、真に迫る世界観で読み手を呑み込んできます

何者でもなく生まれ、悲しいまでに力を身に付け、しかし心は虚しく彷徨うばかりのデルグレーネ

イレギュラーとして世界から排除されかけた彼女は命からがら生き延びるも、無力な少女となり……そこで得難い経験を積み、心と信頼を育んでいきます

話の展開、情景描写もですが、特に心理描写は秀逸を超えて優美ですらあります

是非皆様も、デルグレーネと共にこの世界を歩んでみてください

デーモニアの世界で生きている少女デルグレーネ。弱肉強食のこの世界で、彼女はただ生きるために戦っていた。
死にたくなくて、刃を向けてくる者たちに刃を向けた。生きていたくて、迫り来る脅威を退けた。ただそれだけだったのに。
突如世界を管理する者たちの介入で、彼女の世界は一変する。

これはただの人殺しの物語であり、単なる恋の物語であり、友の物語であり、家族の愛の物語であり、一人の少女が愛を知るための物語である。
この世界は残酷だけど、ただ素直で美しい。

みなさんもそんな世界を堪能してみませんか？

破壊者と呼ばれるイレギュラーの存在は、輪廻の渦中で何者へと変貌するのか？

想像を超える劇的な展開に驚き、圧倒される魅惑のファンタジーです。

舞台となる世界は境界で三種に区切られます。
①魔世界＝デーモニア
②死世界＝タナトピア
③人間界＝オートピア
これら三界を見守る上位の存在が、管理者と呼ばれます。

☆☆☆
ある時、管理者はデーモニアで謎の個体を感知しました。それが本作の主人公、デルグレーネです。見掛けは可憐な少女。しかし、世界に混乱を招きかねない程の際立った能力を誇る魔物です。
排除命令が下され、死を宣告されますが、時空の「裂け目」に墜ちて一難を逃れます。それでも、五感を喪失し、活…続きを読む

全82話完結です。
本作は逃亡編とあるように「流転する太陽」の序章に当たる部分です。

物語の主人公はデルグレーネという魔物の少女です。
彼女の誕生過程は実に興味深く、この部分を読むだけでも、本作が純然たる本格ファンタジーであることが分かります。
当然、流行りの要素はありません。魔法等の描写は分かりやすく書かれていますが、どちらかというと重厚でデルグレーネの内面に深く切り込んだ、昔書籍で読んだ海外ファンタジーに通ずるものがあります。

物語はデルグレーネを中心に展開されますが、彼女の周囲に登場するキャラクターもまた魅力に満ちています。
三人の管理者、魔物の世界での強敵たち、そして世界を越えて…続きを読む

オリジナルの世界観、圧倒的に強い魔物たち、現実の中世や近世を思わせる生活描写――
こうしたものを求めている方におすすめです！
ゲーム風・ラノベ風の異世界ではなく、紙の本で読んだ本格ファンタジーの雰囲気が満ちています。

特筆すべきは主人公が魔物の少女である点。
圧倒的な強さを誇る彼女は、時に襲い来る人間たちを殲滅することもあります。
ですが彼女には人間と変わらぬ心も知能もある。
だからこそ生きる意味を探して苦悩もする。

愛を知り、生を知り、死を知る中で彼女は一歩ずつ人の暮らしに溶け込んでいきます。
大切な人と出会い、守りたい人々が増えて行く中で彼女は何を思うのか？

哲学的命題をも含んだ本…続きを読む