第1話

「ここが、ワンエイスの末路か」


「ワンエイスの末路」という、看板もあるし、ここが例の研究所で間違いないだろう、多分。


 ここに、アイリスという女性と、毒蛇という男性がいるかどうかはわからない。

 俺も、実際に会ったことがないからだ。


 毒蛇が、異世界で有名な蛇使いの曾孫で、蛇使いと人間世界の人間とのワンエイス。


 アイリスが、世界を氷漬けにさせることができるくらの高い魔力を持つ大魔女であるハイエルフと人間の曾孫であるため、ハーフエルフでもなく、クウォーターエルフでもなく、ワンエイスエルフ。

 つまり、ハーフエルフの孫で、クウォーターエルフの娘ということになる。

 エルフの耳を持ってなくて、人間の耳らしい。


 エルフの耳は、人間の耳と比べて、優性遺伝子だから、エルフの耳が生まれやすいらしい。

 だけど、クウォーターエルフ以降となると、エルフとの血が濃くない限りは、エルフの耳は生まれにくくなるという話がある。


 そのせいか、クウォーターエルフであるニーノは姉である第一王女や第二王女を含めて、人間の耳。

 俺は会ったことはないから、聞いた話でしかないけど、第三王女は、エルフの耳らしい。


 僕たちの目的は、ワンエイスの末路からワンスイスたちを救いだすこと、

 アイリスや毒蛇を助けて、守り切ること、

 そして、四つごちゃんの中の一人で、ニーノの姉の一人である第三王女を見つけだすという目的があった。


 ワンエイスの末路は、ワンエイスを研究材料にしているらしいけど、目的は不明。

 僕個人としては、ハーフとか、クウォーターを研究材料にしていけばと思っている。

 その方が、研究のしがいがあると思わないか?


 俺は、とにかく痛そうなモーニングスターを持ち歩いていた。

 痛そうだけど、実際の威力がどうなのかはわからない。

 練習相手もいないし、致命傷になるかと思うと、練習相手をお願いしづらい。


 ニーノは、勇者であるために剣を持っているし、いざという時は、俺を守護している異質な生きているのか死んでいるのかわからない人たちが、どうにかしてくれるだろう。

 あんま、期待はしてないけどな。


 ワンエイスの末路の研究所の前まで行くと、さっそく見張りというやつらがいた。


「何しに来た?」

 

 ここは、正直に言っても、嘘を言ってもだめな気がした。

 しかも、腰には剣が入った鞘が見えている。


 下手なことは言わないでおこうと思うと、言葉につまる。


「えーと、あたち達は、アイリスと毒蛇を助けに来ましたわ」


 いや、これ、僕たちが邪魔しに来ていることをばらしているうようなもの・・・。

 やっぱ、ニーノというおちびさんには、隠し事はできないか。


 僕は、戦闘になる覚悟をした。

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