第7話

 ユウヅキや、カルキも、僕の味方になってくれると手を差し伸べてくれても、水と鋼と鉄で、一体、何ができるんのだろうか?


 俺が一人で落ち込んでいるところに、ギルドの女性で、腰まで長い青髪を持つ小柄な勇者嬢のコレジョージョが、話しかけてきてくれた。


「いつもより、顔色が悪いのですわ」


 コレジョージョは、一人称は「あたし」でなのです口調で話す。

 リコルドと違うところは、時々「なのですよ」と話すところが、彼女は「なのですわ」となる。


 穏やかで、気品があるリコルドは忠誠心が高く、王様や上からの命令に絶対に逆らわないけど、コレジョージョも、同じ勇者嬢だけど、全然似ていない。

 コレジョージョはお人よしで、困った人には手を差し伸べられるくらいの行動力を持ち合わせ、自分なりのプライドがあるために、上からの命令は基本は嫌がるけど、人助けのためなら、動いてくれる。

 勇者嬢だけど、ギルドにいるのは、この性格のためだと思う。


 いつもより、顔色が悪いって・・?

 俺は、いつも、顔色が悪いのか?


「任務失敗したことに、落ち込んでないから」


「ということは、落ち込んでいるのですか?

かわいいのですわ」


 かわいいって・・・・。

 まるで、俺が女子かのように扱うの?


 肩まで髪を伸ばしてたら、実質、女子のようなものか?


「俺、勇者嬢の護衛、向いていないかもって、近頃から感じていて・・・。

だけど、こんな俺でも守れるものがほしいんだ」


「そしたら、勇者嬢にこだわらなくてもいいと思いますのですわ。

巫女でも、聖女様でも、守りたい者を守れたら、それはそれで、護衛が成立するのです」


「そっか・・・・。


俺は、勇者嬢にこだわりすぎたのか・・・?」


 この世界が、どうなっているとかよく知らない。

 異世界転移して一週間もたっていないし、右も左もわからない状態で、とにかく勇者嬢を守ることだけが、この世界の常識だと思っていた。


 だけど、素人の僕に、護衛なんて役割が務まるわけがないって、どうして、わからなかったんだろう?


「ブオテジオーネちゃまは、いつも頑張っているのです。

毎日、努力しているのですわ。


だから、あたしはいつでも応援するのです。

相談に乗るのですわ。


だから、ブオテジオーネちゃま、あたしを頼ってくれないのですか?

むしろ、頼らせてくださいなのです」


「はあ、しょうがないな。


今だけ、頼らせてもらおうっと。


なぜなら、新しくできたパーティーメンバーがユウヅキと、カルキしかいないんだ」

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