第8話

 こうして、俺、コレジージョ、ユウヅキ、カルキの四人でのギルド内で勇者パーティーが結成された。

 

 コレジージョは、勇者嬢だけど、髪で左目を隠しているようなことはない。

 どいういうわけだが、右目を髪で隠している。


 鋼と鉄と、水と炎で、パーティーを組めば、ほぼ最強のパーティーメンバだ。


 ちなみに、炎はコレジージョのことだ。


 だけど、そこでギルドを兵士たちが襲ってきた。


 そう、このギルドを襲う元凶は、あの王様だった。

 俺を、追放した・・・・。


 王様の名前は、バレシメントで、ハーフエルフの王様。


「兵士どもよ、このギルドを壊せ!

ブオテジオーネ以外は、皆殺しだ!」


 え?

 今、なんて?


 兵士たちとギルドメンバーたちが戦い、互角の勝負だったところを、リコルドが加戦して、そこから、俺たちのギルドメンバーが倒れていった。

 リコルドは、強い。

 味方でいれば心強いけど、敵となると厄介。

 そんなリコルドが王様の命令によって、ギルドメンバーを攻撃して、倒していく。


 目の前で、俺の大事な親友である、ユウヅキやカルキも倒していった。


 嘘・・・!


「ユウヅキ!

カルキ!」

 


 俺は、何もできないでいた。

 目の前で、死んでいくギルドメンバーたち。


 最後に、コレジージョとリコルドの激しい戦いが始まった。


「あたしだけでも、生き抜いて見せるのですわ!

ブオテジオーネのために」


「これは、王様の命令なのですよ。

コレジージョと言うのですか?


死ぬのです!」


「リコルド、やめてくれ・・・・。


これ以上、俺の大切な人を奪わないで・・・・」


 俺は、涙が出ていた。

 普段は泣かないけれど、あまりの悲劇に耐えられなかった。


「いいえ。

これは、命令なのですよ。


確実にこなさないといけないのです」


「君には、人の心がないのか・・・?」


 我ながら、ひどい言葉を発したと思う。

 だけど、リコルドのやることはいくら、王様からの命令であっても、理不尽以外の何物でもなかった。


「あたしにあるのは、王様のための忠誠心だけなのです。


人の持つ、感情なんていらないのですよ」


 この時、リコルドには何を言っても、無駄だと痛感した。


 リコルドは、命令されたら動くだけの機械同然の人でもなけば、魔物でもない、感情を持たない操り人形なんだって。


「コレジージョ、逃げよう・・・。


これ以上、誰かが失うのは耐えられないからさ・・・」


 僕は、泣いていた。

 涙は止まることなく、ただあふれるばかりだった。


 水を操ることしかできない俺には、リコルドと戦う戦闘能力は秘めていない。

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