概要
筋肉と性欲と、ある事件に翻弄される「わたし」の物語
***特定の性嗜好への差別的な表現、直接ではないですが、性暴力描写があります***
大学二年生の「わたし」は筋肉質のラガーマン、笑顔がまぶしいノリクラ先輩に憧れていた。
同じくノリクラ先輩に憧れる同級生のミチと一緒に、練習を眺める「わたし」。だが、筋肉に対し、ある欲望をもっていた。
それは、「その筋肉で、力いっぱい殴ってほしい」ということ。
しかし、ある事件が起こり……。
性欲と恋愛の救いなき板挟みと理不尽に翻弄される、ある女性の物語。
大学二年生の「わたし」は筋肉質のラガーマン、笑顔がまぶしいノリクラ先輩に憧れていた。
同じくノリクラ先輩に憧れる同級生のミチと一緒に、練習を眺める「わたし」。だが、筋肉に対し、ある欲望をもっていた。
それは、「その筋肉で、力いっぱい殴ってほしい」ということ。
しかし、ある事件が起こり……。
性欲と恋愛の救いなき板挟みと理不尽に翻弄される、ある女性の物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!誰にも言えないこと、誰もが笑えないこと。
誰にだって性癖というものはあるものです。
それを隠してるか、隠す必要のないものか、個々人にはそのくらいの違いしかない。
誰もそれが、たとえどんな人に言えないことだって、笑ったりはできないのです。
ただ、それが人間の社会性という防壁を超えて滲み出してしまうことがある。
この話は、それが自分でなく他人によって晒されることで、かえって自身の内面と対峙せざるを得なくなってしまった人間の話なのだと思います。
ありふれてないようで、ありふれていること。またはありふれていても見て見ぬふりをすること。
この作品の主人公と私の違いは、それくらいしかありません。 - ★★★ Excellent!!!一生付き合っていくマーベル模様の靄。
筋骨隆々な男の人に殴られたい。
そんな性癖を持っていた主人公は、自分のそんな抗えない性欲と恋愛感情のギャップに悩まされながらも、憧れの先輩の筋肉を見ながら妄想をする日々を送っていた。
──あの日までは。
自分の中にある、欲望と社会との擦り合わせ、それはどれだけ多様性が叫ばれるようになっても難しい。
性癖の在り方で、救われない人はたくさんいる。
作中で起こる事件の後、それをどこまでも自分自身に突きつけられていく主人公の様子は痛々しく、読んでいて心が締め付けられる。
性欲と恋愛感情のギャップに少しでも悩んだことがある人になら、皆に読んでほしい作品。
まさかこんなにも心揺さぶる作品が、…続きを読む