概要
逢瀬と肌を重ねる日々の中で、私はある夢を見るようになった
何の取り柄も生きがいも無い。派遣社員である清瀬美月は、仕事をこなすだけの毎日を送っていた。現状を変えたい。誰かに必要とされたい──美月の鬱屈した気持ちが、同じ職場の男性社員、小鳥遊奏と不倫関係に陥るきっかけとなる。
だがそれは、水の流れに身を委ねて、暗い水槽の中で漂う海月のような日々の始まりだった。
先の見えない不安を抱えて、未来のない関係に一喜一憂するばかり。心をすり減らしていった美月は、小鳥遊にある場所へ出かけようと提案する。今度こそ、何かが変わると信じて──
【注意点】
・第1話→軽く仄めかす程度の性描写
・第2話→ハラスメントに関する描写
・第3話→軽く仄めかす程度の性描写
・第4話→最後に軽い残酷描写(1シーンのみ)
全体的にどの描写も軽めですが、苦手な方は閲覧の際に
だがそれは、水の流れに身を委ねて、暗い水槽の中で漂う海月のような日々の始まりだった。
先の見えない不安を抱えて、未来のない関係に一喜一憂するばかり。心をすり減らしていった美月は、小鳥遊にある場所へ出かけようと提案する。今度こそ、何かが変わると信じて──
【注意点】
・第1話→軽く仄めかす程度の性描写
・第2話→ハラスメントに関する描写
・第3話→軽く仄めかす程度の性描写
・第4話→最後に軽い残酷描写(1シーンのみ)
全体的にどの描写も軽めですが、苦手な方は閲覧の際に
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!クラゲのごとく揺蕩う日々からの脱却
無気力。無意味。無価値。派遣社員・清瀬美月は、低い自己肯定感から職場の男性社員である小鳥遊奏と不倫関係となり、彼が妻と別れるのを待つ日々を送ります。刹那の逢瀬に不満は募るも、幼い頃に水族館で見たクラゲのようにただ流されて揺蕩うだけ。一方、小鳥遊奏もうつ病の妻への対応に苦しみ、美月に癒しを求めていました。
美月はある日、休日出勤と偽る小鳥遊とともに水族館を訪れます。そこで出会ったのはいつかと同じ、照明によって照らされたクラゲたち。誰かに輝かせてもらい、何も考えず揺蕩う様が美しいと思っていたはずの彼らを見たとき、美月の心にある変化が訪れます。否、本当はもっと前から心の軋みに気付いていたであろう彼…続きを読む - ★★★ Excellent!!!くらげをモチーフにした美しい物語
このお話の主人公である美月は、小鳥遊という既婚男性と不倫しています。小鳥遊さんの奥さんはうつ病で、なかなか別れてくれません。苦しい関係にしがみつかずにはいられない美月の心理描写は、読んでいると一緒に苦しくなるほどです。水族館で展示されていたくらげみたいに漂っていたい美月でしたが、それでも後半、あることをきっかけに前を向く決心がついたときには、彼女と一緒にとても晴れやかな気持ちになれました。作者さんお得意の香水の描写が随所に登場するのも嬉しいところ。ラストも晴れ晴れとして美しく、美月の門出をともに応援したくなります。本当に素敵なお話です。