第282話 ~二度とヘマはしないよ~
~二度とヘマはしないよ~
魔物を相手にブレードルミナーを連発しすぎて体力を消耗しすぎてしまって、みんなを心配させてしまった僕、調子に乗りすぎたと反省中・・・
「まぁ、ひとまず魔物もいなくなったし、先に進みましょう、ここにいても魔族退治はできないわ」
「そうですね、町の人たちを救いに来たのですから、どんどん先へ進みましょう」
「そうそう、町を救うのがアルたちの役目ッ! ドンドン行こう~ッ!」
初戦に勝ったことでアルは上機嫌、そんなアルが近くに乗り捨ててあるっぽい
馬車を発見。
「あの馬車、誰も乗ってないみたい、あれ使っちゃだめかな?」
アルが指さすほうを見ると、かなり大型の乗合い馬車があった、しかし、そこに持ち主らしき人影はない。
「この周辺には人はいないようですから、お借りしても大丈夫でしょう、あれに乗って中心を目指しましょう」
いつもなら慎重なエレーナが珍しくアルの提案に乗ってきた、なにか考えがあるのかもしれない・・
僕たちはアルの見つけた大きめの馬車を借りて町の中心を目指した。
「アル、借用したって書いた紙は残してきた?」
「うん! ばっちり、しっかり書いておいたよッ!」
「無断で持ってきては申し訳ないわよね、ウフフ」
楽に移動できることになってご機嫌なタミーも、一応の借用書の書置きに納得の様子。
馬車での移動はホントに楽なんだけど、いってみればここは敵の勢力圏、突然攻撃を受ける危険もバリバリにあるので、魔力探知に引っかからない程度の防壁を展開しながら進む・・・
しばらく進んだところで、スツーカが何かを感じ取った。
「何かいる感じよ、注意したほうがいいわ」
スツーカが感じ取ったモノの正体は魔物だった、スツーカが感じ取って数秒で僕たちの前方の物陰からゾロゾロ、まさに湧いて出てくるといった感じ・・・
「さっきの魔物もこの魔物もなんか覇気がないよね、何でかな?」
僕がボソッとつぶやいた一言にタミーが笑いながら・・・
「ユウト、知らないの? 魔物の多くは自我ってモノを持ってないのよ、だから誰かに操られて動いてる、まぁ人形みたいなものなのよ、判った?」
(人形?・・)
「そうなんだ、でも、その説明だと駒みたいにも感じるね」
「駒? そうね、捨て駒って感じかしら、フフフ」
タミーの捨て駒っていう言葉を聞きながら、僕は馬車を降りて馬車の前に立った。
「ユウト、何する気?」
「大丈夫、さっきみたいなヘマはしないよ、しっかり考えて戦うよ」
さっきのようなヘマだけはしないよう、よ~く考えながら術を使って体力を上手くコントロールしつつ敵を倒していく、馬車に乗りながら考えた結論だった。
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