第119話 ~脱出!!~
突然アルファードのバックドアが開き眼前にド~ンと現れた邪魂に驚いたアルはその突然の恐怖と画ズラに後席に居られず、たまらず運転席と助手席の間まですっ飛んできた!
「怖いよ~ユウト~、もっと速くぅ~!」
「わ、判ってる! でもこれでいっぱいなんだ!!」
クルマはガタガタ揺れ、同時に時々重いはずのフロントが浮きだした、
「なんで、前が浮くんだ?」
まるで後方から引力のようなもので引っ張られてるようだ。
このクルマがFF車だったら前が浮いちゃ進めなくなるけど、運よくこいつは4輪駆動らしい、ちょっとくらい前が浮いても進んでくれてる。
しかし、めちゃくちゃヤバい状況で、もう邪魂との距離もほとんどなくなってきてるのがドアミラー超しでも見て判る。
そのとき、前方に見えていた光る部分がドンドン接近してるのがはっきり認識できるまでになっていた。
「やったっ! もうちょいだ!!」
アクセルを踏む足にも力が入る、しかし、すでにアクセルは全開! もうこれ以上は加速してくれない。
「くっそ~ぅ! もっとスピード出てくれ~~ッ! 頼む~~ッ!!」」」
僕は自分でも信じられないくらいの大声でそう叫んだ、その直後、僕は今まで以上の加速Gがかかったように感じた。
「?!」
グウォ~~~ン!!!!
スピードメーターを見ても、その示す速度がグングン上がってる。
「さっきまでメーター動いてなかったのに、なんだか判らないけど、加速してるッ! これならイケるッ!」
加速を始めたクルマにアルも喜んで、
「やった~っ! このまま一気に逃げ切っちゃえ~~ッ!」
異常な加速と振動のせいか、左ドアのドアミラーが振動に負けてちぎれてしまった。
光まであとちょっと・・
もうそれから先は光が眩し過ぎて、周囲も車内もはっきり見えないほどだった。
「キャ~ッ! 何ッ? 眩しくて何も見えないよ~」
アルが騒ぐのも無理ない、周囲が見えないから、これからどうなるのか、みんな不安いっぱい!
周囲が白飛びレベルに眩しくなった直後、クルマが浮いたような、正確には身体に感じてた重力が一瞬ゼロになったように感じた。
「!!何ッ?!」
僕が妙な感覚に驚くのとほぼ同時にタミーとアルも僕以上に驚いたようで、
「無重力ッ??」
「キャ~ッ! 何なのこの変なの??」
「キャッ! 身体が浮いたッ!!」
と叫びながら、二人で抱き付き合っている、メチャ怖かったのね・・・^^;
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます