第262話 ~夜逃げする正義の味方?~

~夜逃げする正義の味方?~


 エンキを撃退して、町に戻ると、そのことで町を挙げて祭りをするなんてことになってしまった・・・


 魔族を撃退したことを祝って、町をあげての祭りをするって言われたけど、僕たちのパーティは巫神を中心にしたパーティだから、魔族退治なんてことは当たり前のことなので、それを祭りになんて言われても、めちゃくちゃ困る・・・

(どうしよ~・・・)


 町に戻った次の日の早朝・・・

「アル・・アル、起きて下さい」

「タミー、ドーラ、エミール、起きて、朝早くて悪いけど、すぐにここを出立するわ、準備して」

 外はまだ薄暗い、そんな誰もがまだ夢の中のような早朝、僕たちは宿を出ることになった。

 昨日、エレーナが思いついた案、それは町が僕たちのことで祭りをする前に、この町から出ることだった、それで、今日は宿の主すら寝てる時間に宿をチェックアウトして町から出てしまうというものだったのだ。

「宿のご主人には申し訳なのですが、このまま出発します、もちろん宿賃はフロントに置いておきますよ、フフフ」

「まぁ、当然だよね、そうでなきゃヒーローどころか、迷惑かけた悪人になっちゃうもんね、ハハハ」

 アルはまだ半分寝てるっぽい、

「アル、起きて、この町から出発するよ」

「う~ん、ユウト~抱っこして~」

「えぇ~?! 抱っこって・・それはムリぽだよ・・」

 

 宿を出た僕たちは、早朝とはいえ、数人の町の人に遭遇、そのたびにタミーにエルフの眠りへの誘いの術で眠ってもらいながら町の門から外へ出た。

 いろいろあったこの街だけど、こうして無事僕たちは次の町へ出発することになった・・

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