あっちではモブだった僕だけど異世界ではモテモテ勇者になれちゃうかも?!

和泉まや

第1話 ~違う世界~

 僕はユウト18歳、いま異世界で人間界から流れてきた一部の魂(邪魂)を狩っている。

 狩っているというと、強そうな勇者を想像すると思うけど、僕は普通の男子高校生・・だった、でもなぜか狩りをするために異世界に呼ばれちゃったんだよね。

 今も仲間と協力して狩る邪魂を追い込んだところ。

「ユウト、しっかりヤツの動きを抑えてっ!!」

「うっ、うん!大丈夫ッ!!」

「アル! そっちは任せたわよッ!!」

「うん! タミーこっちはばっちりだよ!」

「よしっ! 縛身神術!」

 僕は巫神エレーナからもらった神術を繰り出して邪魂の動きを封じた!

 縛身神術とは数人で邪魂を包囲して包囲の外へ出られないようにする神術のこと。

「エレーナ! 頼むっ!」

「はい、ここからは私が引き継ぎます」

 巫神エレーナは僕たちが地上で邪魂の動きを抑えたところで空中から邪魂を冥府へおくる詠唱をはじめた。

「#~=)00&#&%!#7-”#&」(エレーナの詠唱 文字化不可能)

 すると僕たちの作った縛身神術のバリアのようなモノにエレーナの出した結界のようなモノが重なって徐々に邪魂に迫っていき、最後は邪魂と共に小さくなって消えた。

「ふぅ~、終わったぁ~」

「今回の邪魂は弱っちいヤツだったね」

「お仕事完了!お疲れ様~^^」

「アル、今夜も美味しいもの食べようね、ウフ」

 アルとタミーは一仕事終わるとすぐに気持ちを切り替えられるらしい、いい性格してるよなぁ・・

「あぁ、ユウトはどうする? 私たちと一緒に夕食しない?」

「う~ん、エレーナはどうする?」

「私は、ここの支宮に報告に行ってきます」

 巫神であるエレーナは邪魂を冥府へ送ったりすると、その地区の支宮と呼ばれる場所へ報告へ行くことになってる。

 支宮というのは、この世界に災いをもたらす邪魂などを駆除/排除するための機関の支店みたいなところ、本部は別にあるようだけど、僕はまだ行ったことはない。

「そう・・じゃあ僕は・・」

「はい! ユウトも私たちと来るんです!!」

「えぇ~!?」

「エレーナ、それじゃ私たちは町に行ってるから、気が向いたら来てよ」

 僕はアルとタミーに無理矢理に食事に連れてかれた・・

       ~

 「異世界」この言葉は一部の人にはなじみ深い言葉だろう、アニメや小説・映画とかに登場するフィクションやファンタジーの中の別世界を指す言葉だ、でもまさか実際にあって自分がそこに来ることになるとは、マジに1ミリも想像してなかった!

なんで僕が異世界に来たのかってのは自分でもよくわからなかった。

 僕は自分が交通事故に遭ったのはうっすら覚えてる、その結果僕の肉体は人間界で昏睡状態になってしまってるらしい。

 昏睡状態とは見方によっては生きてもないし、死んでもいない、要するに中途半端な状態ってことらしい、でもそれと異世界とはぜんぜんつながらないと思うんだけど、なんでかわからないけどそんな僕の中途半端な状態がちょうど異世界の需要にマッチしたらしい・・

 ちょうどいいから僕のいる異世界のことを説明しておく。

 この異世界はアルのようなキャットピープルやタミーみたいなエルフなど他種多様な種が混じってる世界、人間界のアジア系やアフリカ系・アングロサクソンなどかいるのと同じと思ってほしい、僕はまだこの世界のすべての種を把握していない、それくらい他種が住んでるってことと理解してほしい、普通の人々は平穏に暮らしてるんだけど、僕やエレーナは違ってて、さっきのような「邪魂」と呼ばれる元人間の魂が実体化したヤツを狩っている。

 その邪魂というのは人間が死んだとき、普通はその魂はあの世(ここでは冥府と呼ぶらしい)へ行くらしいんだけど、ごく一部の強い怨念や執念、生への執着がある魂の場合、まれにこっちの世界に来ちゃうらしい、そんな困った魂がこっちの世界に来ると、こっちの世界でいろいろ悪さをするので、こっちの世界から追い出さなきゃならないんだけど、まぁそういった魂ったらなかなか凶悪っだりするので付いた名前が「邪魂」(じゃこん)

 邪魂とはピッタリな名前だと思うけど、邪とは邪魔の邪でもあるし、よっぽど嫌われてるんだろうと想像できちゃう・・

 そんで僕はそんな邪魂を見つけて冥府へ送る仕事をアル/タミーそして巫神エレーナと一緒にやってるわけ。

 でもって、その邪魂を見つける能力を持つのが僕みたいな中途半端な状態の人間だけで、その状態になった僕はさっそくこっちの世界に召喚されたっぽい。

 まぁ僕としてはとんだとばっちりという感じっぽいんだけど、まさかゲームとかアニメとかに出てくる異世界がホントにあるなんて超びっくり!

 僕は人間界ではまったく特技とかない、いたって普通の高校生でテレビのアイドルやスポーツ界で注目されてるアスリートとかを羨望の目で見てた底辺男子だったんだけど、それが一転、異世界では邪魂を見つけるのに無くてはならない存在になってる、ある意味希少価値?!

 自分の価値ってどこに眠ってるかホント判らないよ、まぁ今回は異世界ってかなり癖強なシチュエーションなんだけど、人間界で底辺やってるよりマシかもって思って、エレーナやアル・タミーと一緒に頑張ってみてるって感じ^^

 以上、ざっくりな説明、終わり!

 

次話につづきます!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る