忍びにいきる。おんなに生きる。

五十数話をひと息に拝読しました。ひと息に、ということばが似つかわしい。お話の拍動、脈打つちからは、怒涛のように、圧倒的に、せまるのです。時間をおかせてくれない。端正でうつくしい表現たちが、主人公とその伴侶のおもいをあたたかく刻み出しているのに、最上等のエンタテイメントのよそおいを纏うのに、わたしたちは、瞬時に、つれていかれる。作者さまの提示する、いきる、という主題のはてに、置かれる。そうなればもう、お涼さんと奔るしかない。さいごまで。

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