とある遊女の切なすぎる恋の物語


この作品は、「あらたまの恋 ぬばたまの夢」のサイドストーリーの短編です。

本編ではあまり詳しくは描かれなかった莫津左売《なづさめ》という一人の遊女の半生が描かれています。


舞台は本編と同じく奈良時代。十六歳の遊行女《うかれめ》、莫津左売ですが、客が取れなければその日の夕餉は食べられないという厳しい社会で生きています。


とある晩、莫津左売を選んだのは名家の若い男、三虎《みとら》。
彼は初めての夜に莫津左売を選び、そこから二人の愛がはじまります。


莫津左売は三虎を愛し、三虎も莫津左売を愛する。されども莫津左売は遊行女であり、三虎が来てくれるのを待つしか出来ません。


逢瀬を重ねる二人の愛は真実で、しかし過ぎゆく時の流れはやがて二人の関係を……。


こちらの短編だけでも完結するお話ですが、是非とも本編と合わせて読んでいただきたい作品です。

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