『記憶と神巡る『平安』物語』は、壇ノ浦の終幕から物語を始め、平家の知盛が沈む瞬間に「声」が割り込み、名を変えて次の世界へ送り出す。史実の重さを踏み台にして、転生と記憶という題材を一気に加速させる構成だ。しかも舞台は現代の剣道大会へ移り、竹刀の乾いた音、礼の間合い、会場の空気をきちんと積み上げた上で、警報と豪雨と魔物が切り込んでくる。平安の死と現代の勝負が、同じ鼓動でつながっていく読み味がある。
伊月が準決勝で梶原の小手を取り、続けて胴を決めて勝ち切った所が良い。拍手の中で感情を抑え、次の相手として名だけが先行していた眞城と廊下で対面し、『君はまだ、前世を思い出していないんだね』と告げられる。そこへ魔物出現の警報が鳴り、決勝中止の放送が流れ、眞城は雨の中へ走って消える。勝利の熱が冷水で断ち切られたように見えて、実はそこから物語の本番が始まる。兄が太刀で魔物を断つ緊迫と、『前世』という言葉が現場の危険と同じ強度で迫ってくるところが、この作品の持ち味だ。
史実とファンタジーを雑に混ぜず、場面ごとの呼吸を変えながら接続しているので、読み進めるほど『記憶』が伏線として働く。声劇版の導入口も含め、連載中の33話がどこへ収束するのかを追いかけたくなる作品である。
注……第19話まで読みましたが、最初の11話くらいの印象で書きました。
まずはぜひ、第零話にある声劇動画をご覧ください…!
……私は思わず涙してしまいました。気づけば物語の世界へと、一気に引き込まれていました。
ストーリーが進むにつれ、
「誰が誰の記憶を宿しているのか?」
というミステリーが丁寧に編み込まれ、源平に生きた人たちの想いや因縁が、少しずつ明らかになっていきます。
歴史好きとしては、この深みとロマンが本当にたまりません。
そして何より、作者さまが史料を丹念に読み込んでいることが随所から伝わり、学びながら読める作品でもあります🫡✨
さらに素敵なのは、
歴史に詳しくない方でも自然と平安時代の景色や空気、人々の想いを感じられること。
物語としての面白さと、歴史への入口としての優しさが、見事に両立していると深く感じました。
個人的には、この素晴らしいストーリーを通じて、
「平家物語って面白いんだ」
と感じてくださる方が1人でも増えたら——
そう願わずにはいられません。
素晴らしい作品を、本当にありがとうございました✨
壇ノ浦の戦いで源氏に敗れた平家は、多くが入水自殺をはかった。
これは壮絶な戦いの記憶を持って生まれ変わり、中学生となった少年たちの物語です。
日本のようで日本ではない独特の雰囲気が漂う不思議な世界で、若くして帯刀を許され魔物と戦う少年たち。
これだけでもかなり熱いのですが、少年たちは源平入り混じっているため、やはり前世の因縁が…!?
彼らの葛藤や想いに、読者の心はジェットコースター並みに揺り動かされ、1話ごとに意見が真逆になるという乱高下を繰り返しながらも、物語に深く惹きつけられていきます。
そして、キャラクターがみんな尊い✨ もっとずっと読んでいたい、そんな素敵なお話でした。
歴史が好きな人もそうでない人も、ぜひ皆さまお読みください! おすすめです!
歴史好きの方も、またはそれほど明るくない方も『壇ノ浦の合戦』といえばピンとくるでしょう。
そう、かの有名な源平合戦。
源義経率いる源氏によって、平家一門は追い詰められた先の壇ノ浦にて海に沈みます。海の底にも都はあると信じて――。
冒頭の壇ノ浦の合戦から一転、現代の“僕”は一般の中学生として生活をしています。
前世の記憶のない状態の少年は、しかし荒れ狂う瀬戸内海で過去に因縁を持つ人物と遭遇するのですが――。
平氏側と源氏側で生まれ変わった少年たちの紡ぐふぁんたじぃ、もといファンタジーは、宿縁や少年らしい葛藤が丁寧に描かれています。
物語の重要なキーポイントである前世。
なにかと多感な時期である少年たちを苦悩させるのが、過去の因縁はなかなか厄介というもの。
現代《いま》を生きる少年たちが選んだものは?
そして、少年たちを見守っている人物の正体は?
過去と現代をつなぐ転生歴史ファンタジー。
そして、この物語を読んだら厳島に行きたくなる……かも??
あの有名な「壇ノ浦の戦い」の、その後の物語を、知っていますか……?
「源平の戦いに散っていった者たちが、もし生まれ変わったら」そんな斬新な設定で描かれた、ユニークな現代バトルファンタジー。
作者様の「歴史オタ知識」(褒めてる)が存分に盛り込まれ、展開される圧倒的な「戦い」の臨場感。まるで、私もあの壮大な源平合戦を体験しているような気持ちになります。
そして、もう一方で描かれるのは、ごく普通の中学生たちの日常。「自分とは、何者なのだろう。どこへ向かうのだろう」そんな、誰もが通る思春期の葛藤と繊細な心。
この2つの、味の違う文体の描き分けも素晴らしく、どんどん記憶と現代が交差していく物語に引き込まれ、気づけば登場人物みんなに感情移入してしまいます。
序盤の、迫力ある戦闘シーンから、ラストの感動まで。
歴史好きな人にも、ファンタジーが好きな人にも、少年たちのバトルと友情を楽しみたい方にも、オススメ。
ぜひ、「源平合戦」から紡がれる物語を見届けてほしい!!
(ちなみに、私の推しは眞城くんです。最強!!)
見慣れた日本の風景の中に、源平の時代から続く魂の物語が息づいている――
ごく普通の中学生・伊月晃。
自身の内に眠っていた平知盛としての記憶が目覚め始めます。
彼はその唐突な記憶の流入に戸惑い、自身の真のアイデンティティについて悩みますが、やがてその記憶に導かれるように行動を起こします。
そして、魔物との戦いを通じて自らの未熟さと向き合い、知盛としての使命感に目覚めていきます。
一方、源義経としての記憶を持つ眞城九郎。
飄々とした雰囲気を持つ彼の瞳には、義経としての過去、特に「大切な者」への強い思いがあります。
自ら選んだ道を進み、誰の指図も受けずにその信念を貫く九郎。
過去の記憶と向き合い、そして現代ではどのような関係性を築くのか。
かつては敵同士であった平知盛と源義経の魂を持つ、現代で運命的な出会いを果たしたふたりの少年。
彼らは前世の記憶が色濃く影響する中で、時に激しくぶつかり合い、時に互いの存在に揺さぶられます。
そしてそれぞれの内なる声に耳を傾け、衝突と理解を繰り返しながら、歴史の重みを乗り越えていきます。
自分自身とは何か。
過去の因縁に縛られることなく、今をどう生きるか。
本作はそれを探す、魂の旅の物語です。
伊月と九郎が織りなす熱い思いと切ない運命の軌跡は、きっとあなたの心を掴んで離さないでしょう。
時を超えて紡ぎ出す絆の物語を、ぜひご自身で確かめてみてください。
源氏と平家の武者がその記憶を持って現代で魔物を狩る話の認識で読みはじめました。
違いました。
そこには現代とは似て非なる異世界が広がっていました。
前作を拝読した時も感じましたが、現実や過去の源平合戦のエッセンスを取り入れながら異世界であると分かる世界を作られる構築力が素晴らしいです。
そしてこの唯一無二とも言える世界観、空気感をことさらに主張することなく、主人公達の過去の記憶と転生後の気持ちをうまく溶け合わせ、人間と人間のドラマとしてまとめ上げている筆力が見事です。
私は日本史があまり得意ではなく、薄い知識しか持ち合わせていないのですが、それでもどきどきハラハラ、登場人物に寄り添いながら完読することができました。
素晴らしいお話を拝読させていただきありがとうございました。
舞台は平安時代の文化が混ざった現代。源平合戦で対峙した人々が転生し、時代を超えてめぐり逢いながら進む物語です。
前世は戦乱の時代ですから、どうしても敵味方に分かれて、生死という勝敗もついてしまうわけで。たくさんの悲劇も後悔も残ってしまうもので。過去に遂げられなかった想いを抱えながら、少年たちは再び出会うのです。
次第によみがえってくる前世の記憶に悩みながらも、今世の人生をちゃんと歩もうと葛藤する主人公たちのドラマが胸に迫ります。普段の中学生らしい会話や、現代っ子同士の関係性も面白いですよ。完結まで読み切りやすい話数もおススメです。
もともと歴史好きな方はもちろん、あまり馴染みのない方でも、この小説をきっかけに日本史への興味が湧くかもしれませんよ!
本作は源平と現代が交錯する歴史ファンタジーです。
前世の記憶を引き継いだ彼らが、日本風のファンタジーな世界で覚醒し、再び敵味方相まみえます。
壮大なスケールで描かれた歴史ファンタジーです。
文章がお上手でするする読んでしまいました!
平氏には詳しくない。私でも、ちゃんと歴史の授業だったりと描写がされて、置いていかれる
どころか、ぐいぐいと引っ張られました。
方言なのもまた、この物語の魅力のひとつになっています。匂いも伝わってくるようで
実に良きです。
私は眞城くんが一番好きだったので、彼に
スポットライトが当たって嬉しかったです!
良かったねえ……と心から思っていました。
お兄さんとはどうなんだろうとか、想像が膨らんでやみません。
学生服姿で刀を持っている姿など、筆力が
おありになるので、ありありと想像する
ことができ、格好良さに悶えながら拝読しました。
惜しむらくは完結してしまったことです。
歴史が好きな方は読んでいて、誰が誰だろうと推測しながら読むのも楽しいかと思います。
また、彼らに会いたいと思うのは私だけでは
ないはず。
眞城くん、伊月くんにまた会いたいです!
本当に素敵な物語を、ありがとうございました……! 筆力があり、とても読みやすく、またワクワクさせていただきました……!
心から感謝を申し上げます……!