概要
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- ★★★ Excellent!!!天才か天災か
読み終わったので書きます。
タイはウケを狙って書いたわけではなく、読んでそのままの感想を当てはめたところこのようになりました。
平家を駆逐した源義経。紛れもなく戦の才覚を持った彼の存在は戦神と呼ぶのがピッタリです。
本来敵の領土に乗り込むのは何かと不利になることが多いですが、これを手際よく鮮やかに勝利への布石として魅せるのは、やられる側からしてみれば紛れもなく厄災そのものです。
その義経の暴れ振りでとりわけ有名なのが、今回の逆落としの話です。
リスキーすぎるからやらないと考えるのが道理な選択肢なわけですが、これを躊躇いなくやってみせたのが源義経という人物なわけです。
しかし、それだけで…続きを読む - ★★★ Excellent!!!魅力的――むしろ蠱惑的とさえいえる、とらえどころのない義経に痺れる!
タイトルのとおり、かの「一ノ谷の戦い」をモチーフにした歴史小説ですが、「鹿に越えられるものが馬に越えられぬはずがない。それーっ! いけーっ!」という単純な物語ではありません(すみません、私の『一ノ谷の戦い』についての知識なんてその程度のものなのです……)。
作者様の義経の、敵の裏の裏の裏を読む頭の良さ、何を考えているかわからない底知れなさが過不足なく描かれていて、最後の最後まで「こう来たか!」と驚かされます。1万字に満たない短編とは思えない密度と満足感です。
絶対に敵には回したくない。味方についてくれたとしてもちょっと怖い。そんな義経の魅力に完全に痺れてしまいました。いえ、もうすでに、同作者…続きを読む - ★★★ Excellent!!!絶対に敵に回してはいけない、九郎義経
むかーし昔。歴史の授業で先生は言いました。
義経は悲劇のヒーローとして後世で人気だけども、あれって義経を憐れんだ人たちの創作だからね。
学生時代の朝倉は思いました。
「ええ〜、義経ってかっこいいじゃん! なんでそんなこと言うの?」と。
今作品では、かの有名な「一ノ谷の戦い」が描かれています。
逆落としとは? 鵯越(ひよどりごえ)とは?
歴史に明るい方ならば、すぐ源平合戦と結びつくでしょう。
そう、これは奇襲作戦。兵力で劣っている源氏側の作戦です。
さて、九郎義経といえば何をイメージするでしょうか??
悲劇の天才武将? 戦いの天才? 現実主義者? いや、やっていること…続きを読む