遥けき。

ひとの生きたことが、大好きです。いきたことが、笑って、たべて、泣いて、闘って、傷ついて、恋をして、想って、鍋のゆげがのぼって、夕餉をかこんで、わらって、朝になればおき、夕にねむって、わらって、わらって、とおくの陽が、令和のいまとおなじ陽が、沈んで、野のはらのむこうに沈む陽を、あのひとと、あのこと、手を握ってながめて。いきて、短い時間で、いきて、鍋のゆげがのぼって。

いのちの圧力。
作者さまの描かれる恋は、恋じゃあ、ない。

遥けきかなたの、誰もが共有している、懐かしいおもいで。

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