儚くも美しく切ない……そんな愛の形がここにあります。

この物語は、奈良時代の遊行女の切ない純愛を描いています。

主人公の莫津左売(なづさめ)は、厳しい社会で生きる遊行女として客を取らなければ夕餉も食べれない状況の中、名家の男性、三虎(みとら)と出会います。
遊行女であるため、ただ待つだけの身。
そんな中でも、2人の絆は深まり、お互いになくてはならない存在になっていきます。

儚げだった莫津左売も三虎との愛で強く美しく華やかに成長していきます。
しかし、やがては切ない別れが……。
その別れのシーンが見どころです。

「あらたまの恋 ぬばたまの夢」のサイドストーリーとして、本篇を読んだ方にもおすすめです。
奈良時代の風俗や切ない恋愛が描かれていて涙を誘います。
私は思わず、深く感情移入してしまい泣けてきました。
喜びの陰には悲しみもある。
こんな切なくて美しい愛の形もある……是非、ご覧ください。

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