遊行女。それは、生き方を選べず、夢見る事も叶わず、恋に身を焦がすだけ。

金持ちは一夫多妻制が許される古代。


遊行女は、生き方さえ選べず、夢を見ることもゆるされず、ただ、狭い部屋の中でナハティガル(小夜啼鳥)の様に毎夜囀るだけの、毎日を過ごすのです。

妻になりたい

妹にして欲しい

せめて吾妹子に……

どんなに身を焦がし、恋の炎に熱く身を焼かれても、決してそれを口には出来ないのです。

それを解っていても、人は恋をしてしまいます。

莫津左売は、求められた時だけ、深い愛を以て、その者の心を、身体を莫津左めるのです。それしか出来ないのです。

時折、小さな抵抗として、相手の小指を噛むのです。この人は今夜、私と過ごしたのだと、その証拠と、遣り場のない、居た堪れない想いを込めて。

切なくただ待つだけの恋に、全てをかけてる莫津左売。 人はどんな環境であっても恋はするし、夢を見るんです。 例えばそれが叶わなくても、全力で魂を燃やします!!

莫津左売の儚くも美しい恋の色に染め上げられた、もう一つのヒーロー(三虎)の物語を、どうぞご覧ください。

その他のおすすめレビュー

かごのぼっちさんの他のおすすめレビュー267