遊行女。それは、生き方を選べず、夢見る事も叶わず、恋に身を焦がすだけ。
- ★★★ Excellent!!!
金持ちは一夫多妻制が許される古代。
遊行女は、生き方さえ選べず、夢を見ることもゆるされず、ただ、狭い部屋の中でナハティガル(小夜啼鳥)の様に毎夜囀るだけの、毎日を過ごすのです。
妻になりたい
妹にして欲しい
せめて吾妹子に……
どんなに身を焦がし、恋の炎に熱く身を焼かれても、決してそれを口には出来ないのです。
それを解っていても、人は恋をしてしまいます。
莫津左売は、求められた時だけ、深い愛を以て、その者の心を、身体を莫津左めるのです。それしか出来ないのです。
時折、小さな抵抗として、相手の小指を噛むのです。この人は今夜、私と過ごしたのだと、その証拠と、遣り場のない、居た堪れない想いを込めて。
切なくただ待つだけの恋に、全てをかけてる莫津左売。 人はどんな環境であっても恋はするし、夢を見るんです。 例えばそれが叶わなくても、全力で魂を燃やします!!
莫津左売の儚くも美しい恋の色に染め上げられた、もう一つのヒーロー(三虎)の物語を、どうぞご覧ください。