第13話

「お待たせ致しました。本日のお勧めディナーになります。お熱いのでお気をつけて。」


デミグラスソースとチーズの匂いが食欲をそそる。

湯気で奥間さんの眼鏡が曇っている。


「座間さん、これ高いやつ…」

「大丈夫、サービスだよ。ごゆっくり。」


座間さんと呼ばれたイケおじがウインクしてくれる。また規則正しい足音でカウンターに戻って行った。


「絶対聞いてたね…、あの人耳がすごく良いの。多分お礼のつもりだと思うから存分に食べてくださいね。」


テーブルに所狭しと並べられた料理たち。

ふわふわ卵のオムライスはデミグラスソースでお洒落してて、プチトマトとパセリがきらきら光ってる。

まだグツグツと音が聞こえているグラタンは大きな海老と、茄子がごろごろ入っている。

ビジュ良すぎて喉の奥から涎が押し寄せて来る。

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