第11話

「すみません、大きな声を…。」

「いえ、お気になさらず。少々お待ちくださいませ。」


規則正しい足音が遠ざかっていった。改めて向かい側に座る彼女を見つめる。


「先程はありがとうございます。助かりました。」


わたしはとんでもない、と両手を顔の前で振る。


「余計なお世話かなと思ったんですけども、困ってるように見えたので。

あと、いつもご来店ありがとうございます。」


一息で言い切ってまた真っ直ぐ彼女を見つめた。


「え?」

「いつもツナマヨと烏龍茶買ってますよね。」


ちょっと困惑顔になったけどすぐ笑顔になって、もしかしていつも行ってるコンビニの?と返してくれた。

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