第10話

赤い屋根に白の外壁のこぢんまりした建物の周りには、クリスマスから飾っていたであろうイルミネーションがきらきら光ってる。

緩くカーブを描いた小さめのアーチをくぐって入口に立つ。

彼女がドアを開けてくれて店内へと。

左側に目線を向けたら陶器製の天使と目が合った。


「いらっしゃいませ…、って奥間くんじゃないか。今日シフト入ってた?」

「いえ、食べに来ました。奥の席空いてます?」

「ああ、空いてるよ。お客様、コートお預かり致します。」


コートとマフラーをお願いして、彼女に促されるまま席へと着く。

向こう側の席でギャルソン姿のイケおじに注文してくれている彼女を見つめてたら、


「珈琲と紅茶どちらにしますか?」

「こっ、紅茶で!!」


思わず大きな声が出てしまい慌てて俯いた。

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