第15話

食事も粗方食べ終わる頃に紅茶を淹れてもらう。

ミルクかレモンかで悩みに悩んでレモンにした。ミルクティーは今度スイーツを頂く時にしよう。


「お待たせ致しました。素敵なひとときを。」


ことり、と目の前に置かれたブルーのティーセットは、夏空を連想させるほどのどこまでも真っ青な色だ。内側はほんのりクリーム色になってて、琥珀色の液体が揺れている。

金色のスプーンの持ち手には片翼が施されている。そっとレモンの輪切りを掬い、ゆっくりと青空への中へと沈めた。

ふわりとレモンの爽やかな香りが鼻腔をくすぐる。お砂糖は入れずに頂く。

緩やかに茶葉の豊満な香りが口内いっぱいに拡がり顔が緩む。


「白木さんって楽しい人だね。顔見ればぜんぶ解っちゃう。」


余韻に浸ってたら彼女に真顔で言われた。

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