第3話 危機一髪!?

それから数ヵ月過ぎたある日の事─────




「ねえ彼女」




ポンと肩を叩かれ振り返る私。


そこには2人の男の人達。





「可愛いー!一人?」

「えっ!?あ、あの……」

「今から付き合わない?」

「ご…ごめんなさい…私…」

「良いじゃん!」




肩を抱き寄せる男の人。




「や、やだ!離して下さい…!」

「良いじゃん!別に」

「そうそう」

「じゃあ行こうか?」

「や、やだ!私、まだ行くって言って…」




次の瞬間、男の人の手が肩から離れる。





≪えっ!?≫




「嫌がってんのに無理に付き合わせてんじゃねーよ!しつこいんだよ!」



ドキン




「…樹…羅…君…?」

「何だよ!お前っ!邪魔してんじゃねーよ!」

「邪魔しているつもりはない!注意しているだけだ!」

「はあっ!?一緒だろ!?」

「一緒?いや違うだろ?…つーか…痛い目に遭う前に失せろ!」



「野郎っ!ムカつく!!」

「テメーっ!」



連れのもう一人の男の人は樹羅君に襲い掛かってきた。




「危な…」



避ける樹羅君。




グイッと相手の腕を掴み後ろ手に引き上げる。





「いてて…」

「俺の事、甘く見てもらっちゃ困んだよ!」




ドキン




「わ、分かった!分かった!」




男の人達は去って行った。




「…樹羅君…」

「…ボーッとしてるからだろ?気を付けろよな!」

「…ごめん…ありがとう…」





そう言うと樹羅君は帰って行った。






ある日の授業中─────





「じゃあ、佐久羅さん。佐久羅 霞さん」




ビクッ



「えっ!?あっ…はい!」


「…朝から働いているとはいえ授業中に居眠りなんて弛んでますよ!」


「すみません…」


「レポート提出!良いですね!」


「…はい…」




その日の授業終了後。




「みなみちゃーん、ノート貸してー」

「ゴメンっ!無理っ!」

「えーーっ!そんなーー…どうしよう…?明日もバイト入ってるし」

「凄いハードじゃない?」



私達は色々話をしながら帰り、途中、寄る所のある、みなみちゃんとは別れ、一人帰っている時だった。






「おいっ!」




ビクッ

振り返る私。



ドキン





「…樹羅君っ!?」

「どうすんの?」

「えっ…?」

「レポート」

「あー…まあ…何とか…自業自得だから」



「………………」




「なあ、お前一人暮らししてるって本当なのか?」


「えっ!?な、何?いきなり唐突だね?確かに一人暮らししてるけど……それが、どうかした?」


「いや…別にどうもしない。聞いて確認取っただけだ」


「…そう…なんだ…あっ!何かしようって思って後つけたりしないでね」


「するわけねーし!つーか、同世代の身体に興味ねーし、色気のいの字なんて一切ない!」




「何それ!」

「じゃあ、お前は自信あんの?」

「な、何言って…あるとか!ないとか!そんなの…」



スッとノートを渡された。



「えっ…?」

「特別貸してやる」

「…えっ?でも…」

「ほら!明日返して貰えば良い。じゃあな」





そう言うと帰って行く。




「あ、ありがとう!」




私達は別れた。






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