第13話 二人の関係

あれから部屋に帰る私達。


その後、私達は何もないまま、一緒の布団で眠っていた。


キス止まりな関係のまま、日にちは過ぎる。




ある日の事だった。


私は雅斗の部屋のドアに寄りかかりドア越しから話をする。



「雅斗、いる?」

「何?いるけど」

「雅斗って、昔からモテモテだったよね?」

「さあな」


「答えになってないんだけど」

「別に過去の事なんて良くね?」

「良いじゃん!ファーストキスはいつ?」

「聞いてどうすんの?」


「いや…コミュニケーションを…」

「コミュニケーション?」




ガチャ


ドアが開き、後ろに倒れ込みそのまま、雅斗の胸に寄りかかるようになる。


「きゃっ!」

「うわっ!何してんだよ!」

「いや…」


倒れたままの状態で、雅斗の顔を見上げる。



「つーか、中に入れば?」

「いや…大丈…」



フワリと抱きかかえられ、お姫様抱っこをされた。



ドキッ



「えっ…!?ちょ、ちょっと、おろし…」




ドサッ



ベッドにおろされたと思ったら、両手を押さえつけられ、私の上に股がった。



ドキッ

上から眺められ、ドキドキ胸が加速する。



「おろしたけど?」

「…いや…ベッドって…」

「何か問題でも?」



「いや…あるとかないとか…」

「で?ファーストキスが何?」

「…いや…えっと…」




私は恥ずかしくなり目線をそらし始めると、片方の手が私の手から離れそらす顔を止められ視線がぶつかり、キスされた。


そして再びキスをされ、深いキスをされ初めての事に戸惑う私の後を追うように首筋から下へと唇が這う。




「ま、雅斗…まっ…」





視線がぶつかる。



「…ゴメン…えっと…」



頭をなでると、オデコにキスをされた。




「悪い…」




私から離れベッドに腰をおろす雅斗。


私はゆっくりと起き上がり、雅斗の隣に腰をおろす私の肩を抱き寄せ頭を凭れかけさせ、キスをされた。


至近距離で視線ぶつかる。




再びキスをされ深いキスをされ、何度も繰り返され、無意識に声が洩れてしまった。




かあぁぁぁぁぁ~~~っ!


頭から足の爪先まで熱くなったのが分かった。



バサッ


私は、雅斗のベッドの布団に潜る。



「霞?」

「ゴメン…今、真っ赤…」



バサッと布団を剥ぎ取られたかと思うと、雅斗が、布団の中に入ってくる。



胸がドキドキと加速する中、背後から抱きしめられた。



ドキン



「………………」



私は体ごと振り返り、向き合う私達。


そして、すぐに雅斗の胸に顔を埋めた。



「…今日のタイミング…逃さない方が良いのかな…?」

「……えっ…?」



私は顔をあげた。



「無理してほしくねーし。しようとは思わない」

「…雅斗…」

「霞のタイミングで良いから」



頭を撫でるようにすると、抱きしめた。




数日後の夜────



「ヤバ…洋服忘れた」



雨に見舞われ、洋服を部屋に取りに行かなかったのもあるけど…


私はバスタオルを体に巻き

脱衣場を後に部屋に向かおうとした、その事─────





脱衣場の前で、雅斗と鉢合わせになった。




「…………………」



「えっと…ゴメン…洋服…忘れ…」

「…そうか…体冷やして風邪引く前に早く行きな」

「あ、うん…」




私は脱衣場を後に移動しようとした次の瞬間────



グイッと引き止められ、背後から抱きしめられる。



ドキン




「それとも…温めてやろうか?というより温め合う?」



ドキッ



「なーんてな」




私は振り返り、向き合う私達。


私は雅斗に不意にキスをした。




「…ゴメン…えっと…」




グイッと腰と後頭部を押し寄せられ、キスをされ唇が離れるも、すぐに唇を塞がれ、深くて濃厚なキスをされ、首筋から鎖骨、胸元と唇が這う。


吐息混じりの声が洩れた。


視線がぶつかるも、抱きしめる雅斗。




「…どうする?」




私は雅斗の首の後ろに手を回す。



「…お願い…して…いい…?でも…色気ないかもしれないよ…?」


「色気あるとか、ないとか…自分を傷つけるのは辞めろ…俺が好きなって選んだんだから…もっと自分に自信持てよ。霞…」




私はぎゅうっと雅斗を抱きしめる。




「雅斗…」



私達は至近距離で見つめ合い、お互い磁石のように吸い寄せられるようにキスをすると、深いキスをした。




















































































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