第7話 終止符!?~ピリオド~好きという想いの中で~

「霞ちゃん、聞いてくれる?」



バイト中の時の事、みなみちゃんが私に言ってきた。



「うん、何?改まってどうしたの?」

「あのね…私…今…好きな人いるんだ」

「そうなんだ!同じ学校?」

「ううん。つい最近、一緒になったりしている…バイトの男の子」

「へえー、そうなんだね!告白はしないの?」



「うん…まだ…その前に仲良くなる方が先かな?と思って」

「そっか…確かに、そうだよね」

「霞ちゃんも、そうだったんでしょう?」


「まあ…流れでいくと…そうかも。何となく一緒に帰って仲良くなって…今を至ってるけど…今のままの関係でいたいって…言われたから…」


「そっか…友達って感じなのかな?」

「うん…多分…」

「樹羅君、過去に何かあったのかな?」

「さあ…?」



「例えばだけど、前の彼女が心残りとか?二股とか三股とか?」


「あー、まあ…あれだけの容姿なら、なくはないよね?何か訳ありなのかも」


「実は男好き!」


「えっ!?ええーーっ!いやいや、それはそれで驚くから!!」




私達は騒ぐ。




「まあ、恋愛はうまくいく、いかないがあるからね」


と、みなみちゃんが言った。



「そうだね…」





そんなある日のバイト帰りの日曜日─────




「…あれ…?樹羅君……?隣の女の人…綺麗な人…彼女…かな?…つまり…それって私…失恋!?なんだかんだいって彼女いたんじゃん!」




「…………………」





次の日、私は学校を休んだ。

あんな所を見かけて行く気なんてしない。

どう対応していいのか、ましてや、どういう顔で会えば良いのか……



2日目。

再び学校を休む私。


勿論、バイトには行き、みなみちゃんだけに事情を話した。




3日目。

学校に行く事にし、ボンヤリする事ばかりで授業に集中出来ないまま。


そんな樹羅君も私の理由や事情を知らない分、気にしてはいたのか、みなみちゃんに尋ねてきたみたいで上手く言ってくれたみたいだけど……





そんなある日の学校帰り─────





ドンッ


誰かとぶつかる私。



「す、すみません…」

「姉ちゃん!何処見て歩いてんだ?前見て歩きな!」

「本当すみませんっ!」



私は深々と頭を下げ去り始める。




グイッと引き止められた。



「謝って済むなんて考え俺らにはなくてさ~」

「…えっ…?」




≪どういう…事…?えっ…?≫




「ちょっと付き合いな!」

「責任は、とってもらわないと」



「い、いや…離して下さい…!」



強制的に連れて行こうとする彼ら。



「今の時間に制服?」

「女一人って遊んでる?」

「じゃあ、もっと良い所、行こうか?」

「補導される前に大人の俺達と一緒にいたら全然安心じゃないかな?」




「何言って…私は事情あって、夜の学校に通っているんです!あなた達の方が余程怪しいです!」


「何ぃっ!?」

「謝ってるのに強制的に連れて行く行為って犯罪です!」

「この女…ふざけんなっ!」

「ふざけてるのはどっちですか!?」






次の瞬間─────





バシャ

二人目掛けて飲み物がぶちまけられた。




ビクッ




「冷てっ!」

「何すんだ!?」



私は解放されると同時に背後から手を掴まれ私の前に誰かが立ちはだかっている人影があった。



≪…えっ…?誰…?≫




「何、良い大人が女子校生相手にイチャモンつけてんだよ!」




ドキン



≪…樹羅君…?≫



何となくそんな気がした。




「何だとっ!?」

「あーあー、洋服ビショビショ!クリーニング代寄越しな!」


「クリーニング代!?今度はクリーニング代かよ!高校生に金せびるってさー、ある意味恐喝罪じゃね?脅して犯罪の罪犯してんじゃん!」


「野郎っ!イイ気になんなよ!」

「クソ子供(ガキ)がっ!」



乱闘騒ぎになる次の瞬間、警察が来て事情聴衆され、私達は解放され、相手側はナイフを所持している事と、どうやら裏社会の関係の繋がりがある事が分かり連行された。



「…………………」


「大丈夫か?」


「…うん…ありがとう…それじゃ…」




私は帰り始める。




「霞」



グイッと手を掴み呼び止められた。



「…お前…最近、様子おかしくね?何かあった?」

「別に」




私は背を向けたまま答える。




「………………」



「そっか…」




掴んだ手を樹羅君は離すと私の横を横切る。


すると足を止め振り返る樹羅君。



「霞?」



「………………」



「彼女…美人だね」

「えっ?彼女?誰の事を言ってんだ?俺、彼女いねーけど」

「じゃあ…一緒にいた人…誰…?」

「えっ…?」

「…ごめん…やっぱ良い…」




私は樹羅君の横を横切る。




グイッと引き止められた。



「さっきから何?言いたい事あるなら言えよ!」



私は泣きそうになった。



「前に…女の人と一緒にいる所を見て…」

「それで?彼女と思ったって事か?」


「あれだけ美人なら自信だってなくすよ!確かに私達は恋人同士じゃないし…結局、告白して、待つなら考えてやるとか…言って馬鹿みたいに待って、待たせて実は彼女いたんだって…考える気なかったんだよね!」


「…彼女いたら、そういう事は言わねーし…いないから、そう言ったんだけど…つーか…俺達の関係を見て、友達なのにカップルに間違えられてるのと一緒!何の関係もねーし!」




「………………」




「分かったよ!だったら勝手にしろ!」




樹羅君は足早に去った。


私は涙が溢れてきた。


トボトボ帰る中、家路に帰宅。


部屋の前。




「お帰り」


ドキッ



「…樹羅…君…?どうし…」

「あんな別れ方してんのに…それに…お前泣いてたし…」



「………………」



「信じる信じないは、お前次第だけどさ…」





歩み寄る樹羅君。





グイッと抱きしめる樹羅君。



ドキッ



「俺はお前との事、考えてるから…時間はかかるかもしれねーけど…少しは…俺の事、信じてくんねーかな?」





そう言うと抱きしめた体を離し帰って行った。












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