概要
全ての創作者へ。一瞬の感動が、どうか消えないように
ピアニストの響子とショコラティエの匠。
それぞれ演奏会の前、バレンタインの前と、自分の仕事の中でも最も緊張し、かつ最も楽しい季節がやってきます。
しかし今年の二人は、何か大きな不安を抱えている様子。
お互いに言い合えない不安の元は、どうやって解消されていくのでしょう?
音楽やお菓子作りだけではなく、文学にもきっとある、あの不安。
作中の曲は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
ピアノ変奏曲《「ねえお母さん、あなたに話しましょう」に基づく十二の変奏曲》
それぞれ演奏会の前、バレンタインの前と、自分の仕事の中でも最も緊張し、かつ最も楽しい季節がやってきます。
しかし今年の二人は、何か大きな不安を抱えている様子。
お互いに言い合えない不安の元は、どうやって解消されていくのでしょう?
音楽やお菓子作りだけではなく、文学にもきっとある、あの不安。
作中の曲は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
ピアノ変奏曲《「ねえお母さん、あなたに話しましょう」に基づく十二の変奏曲》
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!チョコレートを準備してから読みましょう
音楽や料理は、一度聞いてしまえば、食べてしまえば、跡形もなく消えてしまいます。形のないもので人の心を動かすこと。人の心に残り続けること。それはとっても難しいことですよね。
本作の主人公、音楽家の響子と、ショコラティエの匠も、自分たちが創る物は『跡形もなく一瞬で消えてしまうもの』として、一体そこにどういう価値があるのか、苦悩しています。
本作のテーマは、ある意味、小説や映画や舞台など、あらゆるものの創作者が共通して悩むことかもしれません。形ないもので人の心を揺さぶることの難しさを、私自身もよく感じております。クリエイターの命題ですね。特に音楽や料理は本当に一瞬のものであり再現芸術ですから、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!それは心の中に宿るもの。2人の苦悩と愛の物語。
チョコレートは食べたら無くなってしまう。音楽は聴いたら忘れてしまう。
形無いもの、無くなってしまうものに価値はあるのか?
ショコラティエの匠と、ピアニストの響子はその問いかけに苦しみます。
この物語はその残酷な問いかけに優しく答えてくれます。
チョコレートを食べた時の気持ち。ピアノを聴いて感動したという気持ち。どちらの感情も誰かの心の中にしっかりと宿っています。記録しているとも言えるでしょう。
両者は「無くなってしまうもの」ではなく「心の中に宿るもの」なのです。
そんな深い解答が得られる素敵な作品です。2人がお互いを思いやる愛情深さにも是非注目してお読みください。
あなたの心の中…続きを読む