置いてきた過去の風を感じるような、余韻の残る短歌集。するりと抜け落ちるものを、作者様にしか書けないであろう言葉で、掬い上げておられます。言葉の鋭さ、響き、浮かぶ情景が、通り過ぎるように脳裏に広がる。言葉の味を、堪能しました。
ポラロイドで撮られた写真のようなどこか色褪せたそれでいて優しい風合いの心の残像達。短歌のリズムに乗ってあるいは春風に乗る綿毛のようにそれは空に舞い上がる。
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