みたいな春だ

頰伝う涙をひとつぶ切り取って

飴に固めたみたいな春だ


春眠を叩き起こすは初夏の聲

駆け出す裸足に雲が手を振る


雪を割りコンクリート割り芽吹く花

毒も喰らわばほとばしる、春


這い上がれ、未来未来へ、と生き急ぎ

今を置いてきぼりにする僕ら


始発駅涙でメイクが剥がれ落ち

離別の余韻もまた人生








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