重い宿命を背負う少年セラの、切なく物悲しい珠玉の作品

物語の主人公セラは、精霊の姿が見える特別な少年。
セラは訳あって森の精霊を殺し、家族と離れて、自らのルーツを探る旅に出ます。
深く悩み、傷つきながらも旅を続けるセラは、幾つもの不思議な体験をし、成長していきます。

知的でどこか陰のあるセラとは異なり、セラの弟トニヤは、純粋で素直な優しい少年。
トニヤは森を離れてしまったセラを探して、旅をします。

この物語は美しく残酷な世界観でありながら、心に染み入る温かさに満ちています。
それはセラの出会った人たちやトニヤが、愛に満ちているから。

旅をする中で出会う風景や、人々の息遣いが丁寧に繊細に描写されていて、世界観にすうっと引き込まれていきます。
神秘に満ちた、美しく切ない珠玉のストーリーです。
一話一話の読了後、心に染み入るような余韻がとにかく素晴らしい作品です。
ぜひご一読を♪

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