力と宿命を背負いし少年の、答えを探す物語。

精霊の見える少年、セラ。しかしその力は決して彼を幸せにするとは限りません。
周りから奇異な目で見られることだってあります。そればかりか、その力故に色々あって、とある事件を起こし、住んでいる森にいられなくなります。

ネタバレ防止のため詳しいことは書けませんが、この事件というのが、実に考えさせられます。セラの住んでいた森の住人たちから見れば、許されざること。だけどセラの視点で見ると、その行いも納得。
なら読者としては、これをどう思うか。そんな疑問を抱かせながら、物語は次の場面に移行しますが、この時点でストーリーはまだまだ序章。
森に住めなくなったことでセラは新たに暮らす場所を求めて外の世界へと向かうのですが、精霊が見えるという彼の力は、そこでも彼の生き方に大きな影響を与えます。

精霊が見える。その力に運命を翻弄され続けるセラは、旅の果てに何を見るのか。そして、彼にとって精霊とはなんなのか。
悩める少年の、答えを求め続ける物語です。

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