概要
十二月から始まった小説コンテスト用のアイデアが全く浮かばない。
周りの執筆仲間はどんどん新作を公開し話を進めているというのに、一文字も書けないのだ。
焦るけれど、いいアイデアは思いつかない。
何かいいネタはないかとビール片手にネットサーフィンしているうちに、ふと一体の人形に目が止まった。
販売しているその人形はとても可愛らしい男の子でお値段もそんなにお高くない。
思わずポチッと購入ボタンを押した美咲。
数日後、宅配便が届き中を見る美咲だが、酔っ払って購入した為、なんでこんなものを買ったのか、いまいちよくわからない。それでも人形を見ているうちに、ふと新作ホラーのアイデアが湧いて。
「トイレの花子さんならぬ、公衆電話の太郎
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- ★★★ Excellent!!!伝播。それは波紋の様に広がり、そして恐怖を都市伝説に替えてヤツは来る!
——web小説を書き始めた美咲が巻き起こす、世にも奇妙で悍ましく、身の毛もよだつミステリーホラー小説——。
この物語は小説の中の世界なのか? 現実の世界なのか? 混乱してしまう小説の中の話が現実の世界に飛び出してやって来る。それは、作り物の狂気が恐怖を連れて、闇に紛れるように静かに、そして目の前に忍び込む様にヤツはやって来る。
小説の世界が現実の世界へとシンクロする様は、逃れようのない異次元の世界へと読み手を誘う描写は圧巻です。知らぬ間にジワジワと恐怖を連れて浸食します。
『公衆電話の太郎くん』とは一体、何なのか? 太郎君の出生に込められた念は、どのような悍ましい因縁があったので…続きを読む - ★★★ Excellent!!!え?スマホに公衆電話から電話がかかって来た?それ、出てはダメですよ!
美咲が思いついて書き始めたはずのホラー。
公衆電話を通じて呼び出す「太郎くん」。
その太郎くんはなんでも望みを叶えてくれる…はずだった。
創作のはずだったのに。
いつの間にか現実と創作があいまいに混ざり合い、本当に被害者が出始めます。
そうしてついに創作者の美咲が巻き込ま消えててしまいます。
消えてしまった美咲を探す作家仲間のマヤさん。
マヤさんのもとに集まったカイリくんとラブちゃん。
この後この心強い仲間のそれぞれの力を合わせて、無事に美咲を助け出せるのでしょうか?
登場する人物も皆、魅力的です。
ぜひ皆さんもご一緒に、マヤさんたちのこれからの活躍を応援しませんか? - ★★★ Excellent!!!都市伝説はこうして誕生した
主人公・美咲は、仕事をしながらWEBサイトに投稿する小説を執筆していた。
今回はコンテストに応募するために、新作を公開しようとしていた。
けれど、アイデアが全く浮かばず、執筆仲間が新作を発表する姿に焦りが募る。
それでも何かネタはないかとネットサーフィンしていたその時、ふと目に止まったのが男の子の人形だった。
それを購入し、直接手に取った時、アイデアが湧く。
「トイレの花子さんならぬ、公衆電話の太郎くんなんてどうかな」
こうして、WEB上に溢れる小説の中に、新たなホラー作品が生み落とされた。
WEBサイトで小説を公開。
それだけで、書き手の方は興味を持たれるのではないでしょうか?
しか…続きを読む - ★★★ Excellent!!!その都市伝説、本当にフィクションですか?
好きな人の不倫相手に甘んじながらWeb小説の執筆を趣味とする主人公。
そんな主人公が創作物として作り上げたはずの都市伝説「公衆電話の太郎くん」がネットを通して伝播し、やがては主人公を含め現実の人間すらも飲み込んでいく……その描写はWeb小説だからこそのリアリティに溢れ、同時にフィクションの壁を超えた恐怖を、我々読者に与えます。
創作と現実が交差した時、一体何が起こるのか。そもそも公衆電話の太郎くんとは何者なのか。はたして主人公に待ち受ける結末とは……。その答えは、ぜひともご自分の目で確かめてみてほしいです……!
ホラーが好きな方はもちろん、ミステリー要素もあるためそちらが好きな方にもおすすめ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!じわり、じわり…………
投稿サイトで小説を書いている美咲は、コンテスト用のアイデアが浮かばず頭を悩ませていた。ネタはないかと酒に酔った状態でネットサーフィンをしていると一体の人形に目が止まり、購入。手元に届いたそれを見ているうちに、ふと都市伝説系のホラーを書くことを思いつく。しかし、創作だったはずの都市伝説は——
動作や人間に関する描写のリアルさが物凄いです。しかも、非常に丁寧かつ伝わるように描かれています。でもこの小説の一番凄いところは、「じわじわ広がっていく」ところにあると思います。
それは伝播や増殖といった明確な言葉で表されることもあれば、少しずつ増え広がっていく何かを描くことで表されることもあります。
美…続きを読む