第82話 後書きと御礼
この作品は、カクヨムでライフワークとしている『天界より落ちた少女の髪は真白く、恩寵の衣を纏って、中華大陸をさまよう』3部作の前日譚となります。
『天界より落ちた……』3部作は、青陵国の慶央に住む荘興なる人物が、白い髪の少女の存在を知って30年後に彼女に出会うというところから始まりますが、その前の、白い髪の少女が青陵国に来る前の西華国でのお話となります。
白い髪の少女を伴って西華国から青陵国へと長い旅をした藍秀と蘆信という姉弟は、『天界より落ちた……』で、青陵国についた途端に、あっさりと死んでしまいます。そのシーンを書いた日より、いつかは、彼ら2人の短い人生を書き残したいとずっと思っていました。この作品を書くことによって、それが叶って、作者としてもほっとしています。
そしてこの作品は、日本ファンタジーノベル大賞に応募したという、私の72歳の人生において、そしてカクヨム歴6年ということでの、記念すべき作品です。しかしながら、結果は1次予選にかすりもしなかったという惨敗でしたが……。
ストーリー展開に破綻がなく文章がちゃんと読める日本語であれば、小説賞の1次予選は突破するものだと思っていたところがありました。それで、正直言うと「まさか?」でした。
今となれば、「ファンタジー小説としての内容が、賞の求めるものではなかったのだろう」と、冷静に思います。想像力と創造力がガタ落ちの年齢の壁は、越えるにしては、あまりにも高かったというところでしょうか。
でも書いている間も、応募して結果を待つ間も、とても楽しく充実した日々でしたので、「それでよし!」です。あまりに楽しかったので、次回も挑戦するつもりです。
末筆になりましたが、読んでくださったやさしい読者の皆様に、心からの感謝を捧げます。16万字超えの長い小説に、最後までお付き合いくださり、ほんとうに、ありがとうございました。
銀狼山脈に抱(いだ)かれて、少女と少年はアサシンとして出逢った 明千香 @iyo-kan
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