仕事に、恋に…

 カクヨムコン8のライト文芸に参加されている通り、文芸寄りだと感じます。

「一冊の小説は、読者だけの試写会を提供し、読了するまで間、好みのキャスティングで、自由な映像を楽しませてくれる」とは、角川春樹氏のカドカワ・ノベルズ発刊の言葉にある一節です。

 その通りの文章であると、感じさせられました。

 登場人物の容姿ひとつにしても、様々な修飾語で整っていることを示す言葉がつけられてはいますが、特に永徳がそうであるように、文字で彼らが佳人である事が明確に感じ取れるからこそ、彼らの美しさが分かる気がします。

 ここには文章だからこそ感じ取れる美しさがあり、それは容姿だけでなく、彼らの行動、物腰にもあると思います。

 それぞれの仕事にも恋にも、それぞれがそれぞれのための美しさがある、そんな物語です。

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