緻密な設定が凄いです。
メカや登場人物たちの描写も丁寧で読みやすくこだわりを感じました。
作り込まれた世界は徹底的にリアル。
敵は不気味で有害で人類に対して容赦がないため戦闘の緊張感がありすぎるくらい。生きてくれ~と願いながら読んでいました。
個人的に興味深かったのは、シエルやQPといった戦争のためにデザインされた生命の存在でした。人間のために消耗される命……だからこそ愛おしく思えると言う不思議。人間の愛の対象はどこまで広げることができるんだろう……どこまでが人間なんだろうという疑問が僕の中で生じました。
良質なSF作品を読んでいると物語のうちにある哲学的な問いに悩まされることがあります。それがSFの楽しみのひとつだと思ってます。まだ未完結ながらこの作品は楽しかったです。どんなところへ連れて行ってくれるのか今後も楽しみです。
最新話の22話まで読んだ時点でのレビューになります
「ライト」と書いてありますが、決して「ライト」ではないSFです。ちゃんとSF的な考察がなされています。ただ「ハードSF」かと問われれば、そうではないので「ライト」と表現しているだけの本格的な「SF」です。これは間違いないと思います。
ただ気をつけて欲しいのは、「話の落差」が大きい小説であるということです。だから、難しいな、そういう意味では「ライト」なのかなぁ? と思います。ちゃんと抜くところは抜く感じのストーリーなので……。
ただ、本筋はミリタリーものです。但し、ロボットものです。なので、ちょっとSFのフォーマットとしては古いので、今のVRMMO的なSFを好む人は多分よめないSF小説だと思います。
結局、結論としては、「古き良きSF」を好む通好みの「本格派SF」だと思います。但し、軽いシーンもちょくちょくありますが・・・w
くっそシリアスでハードな展開をこれでもかとぶち込んでくる次のページに、でっれでれのシスコンお兄ちゃんをジャンピング抱き枕状態にして連れてくる!
カワイイとカッコイイと手に汗握るギリギリの展開とが大渋滞するぜいたくな作り。ユリウスおにいちゃん大好きです(唐突にあふれるキャラ愛)
パイロットたちはみな若くして軍歴を重ね、仲間を失い、それでも戦い続けるしかない。大人たちはほとんどがすでに散ってしまい、残された少年たちに許される道はあきらめるか、最後まで戦うか、それとも絶望に狂うか——
まだ少年といっていい年頃のパイロットたちが心にも身体にも傷を負い続け、それでも痛みを乗り越えて戦うハードな宇宙航空戦がリアルでカッコイイ。
謎めいた存在の「戦闘支援AI」。宇宙を切り裂く荷電粒子砲の閃光。戦闘機サーカスを脳裏に思い浮かべながら読み進めると現れる敵の真の姿。ヤベェェェェェェ!!!
ケレン味のあるドッグファイト、ほのぼの、ほんわかした日常シーン、そして垣間見える心に秘める痛み。どこをとってもスぺオペ正統派。アニメっぽいせりふ回しがまたいいですね。