第5話 ねこの昔話

私は昔は人間だった、もう100年も経てば自分の人間の姿など忘れてしまったが確かに私は人間だったが100年前の魔王対神の対決で神が負け、神様の側近だった、私ともう1人がねこにされ、もう一匹は魔王に引き連れられてしまった。

私は人間に戻りたくいろんな冒険者と共にしたがドラゴンを現す事ができたのは二回で、カンタとカンタの父親にしかドラゴンを呼び出すことが出来なかった。

私はカンタの父と冒険しているときも「人間に戻してくれ」とお願いはしたものの

悪魔の能力を持ったものには治すことが出来ないと言われた。

私は各地にいるドラゴンを呼び出したかった、カンタ達が呼んだドラゴン界でも弱い方のドラゴンになり、願いことも叶われにくいがカンタの願いがすぐに叶ったのでもう私達には、怖いものが無い、誰にも負けない自信を見るとカンタの父を思い出す、いつも魔物に真剣に取り組み仲間を大事にする父親とそっくりだ。

その姿をいていると私も頑張らなければいけないなと思わせてくれる背中をしている。私は人間に戻って神様を助けに行かなければならない、神様は今でも魔王が住んでいる地下室で眠っている、もう一匹のねこもついでの助けてあげようと思っていた、もう一人のねこはねこの結婚相手だった、魔王が私を選ばずにあっちを選んだのかは知らないが私はもう100年も恋人に会えないまま、ねことして生きている。

人間時代の事を思い出すと涙が出てくるし、カンタ達をみていると私でもまだやれるという勇気が湧いてくる。カンタならこの世界を修復してくれそうな気もして、ワクワクが止まらない。

「ねこ、なんで泣いてるんだ?」とカンタが声をかけてきた、私は涙をどうやら流していたようだ。久しぶりに流れた涙はいつもよりしょっぱく感じた。

「なんでもないさ、昔の事を思い出してた」


「神様と魔物の戦いの件か?」


「そうだよ」


「その件詳しく聞きたいんだけど今良いかな?」

私が干渉に浸ってるのに空気が読めないなと思いながらそれも父親ゆずりなんだなとねこは思った。

「何を知りたいのさ」


「なんで神様が負けたのかを知りたい」


「そんなの簡単な話じゃないか」

「魔王が宮殿に侵入してきたのに誰も気づかず、気づいたときには魔王に宮殿から連れ去られていた、要は私達が弱かった、それだけの話し」


「ねこも気づかなかったのか?」というと首を縦に振り「だって神様のお兄様になりすまして宮殿に入ってきたら誰も気づかないよ、逆に歓迎ムードだったよ」


「神様はまだ地下にいると思うか?」


「地下でのほほんと暮らしてるよ、そのくらいの情報なら入ってくるさ」


「そうか、じゃあその神様を助けに行くか」


「うん!!でもその前に寄らなきゃいけないところが五箇所ある」


「五箇所もあるの?」と僕はびっくりした。


「あと五箇所のドラゴンから力をもらわないと真の最強とは呼べない」


「わかった、場所は知ってるんでしょ??」


「もちろん!」

僕達の旅はまだまだ長く続きそうだ。

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