無給勇者にはなりたくない

興梠司

第1話 無給

僕は勇者になりたかった、勇者になればお金持ちになれると思っていた。お母さんに将来の夢は?と聞かれたときも勇者になると答えていたし、学校の発表会でも勇者になると僕は言っていたが成長するに連れて勇者には給料というものが発生しないことを知った、何かをやればお金になるが、正社員みたいに給料が発生する訳ではない、仕事が来なければ一生ニートと変わらない、僕の家の勇者はお金がなさすぎて勇者を廃業して、今は普通に働いているが勇者になって一攫千金も悪くないと思わなくもなかった。廃業した勇者はこう言う「この国で勇者になった所で一攫千金は無理ds、全部王様に取られて終わり」だと、僕はそんなことがあるのかなと思ったがこの国の勇者は全員みすぼらしかった。僕が想像している勇者とは遠くかけ離れていたが勇者の夢は諦めつかなく、毎日のように剣を振り回していた。

この国には勇者試験というものがあり、その試験に受からないと本物の勇者にはなれない、もちろん勇者試験を通らなくても勇者になることはできるが、国民から喜ばれるのは認定書を持った勇者の方だったが野良の勇者のほうがお金は持っていた。野良の勇者は王様にお金を収める必要が無いのだ、僕は勇者とはなにかわからなくなってきて【検索】 勇者とはと調べると【勇者とは、勇気のある者のこと】検索結果に出てきたとう言うことは勇気があればそれで良いということになるので、僕は勇者試験をうけることを辞め、一人で冒険に出ることにした。勇者試験をうければ仲間も見つかるだろうが、僕には勇気があったので仲間などいらないと思っていた。

両親には勇者試験を受けないことを伝えると激怒された、勇者試験をうけないなら冒険に出ることも禁止だと両親に言われたが僕は無視をした、この国で勇者になっても裕福になれないのに勇者試験など受ける必要がないだとうと反論しても「勇者試験は絶対だ」と父親が言った。両親と喧嘩してから僕はニートになった、外には一歩も出ず親のスネをかじり生きていくことにした、勇者学校には退学届を出しに行ったのが外に出たのが最後だったと思う、勇者学校に入らなくても勇者になんてなれるのだからそんな学校なんて無駄なだけだと思った。

勇者学校を辞めた日何人かの仲間も勇者学校を辞めていた、辞めた理由はわからないがきっと僕と同じ理由だと勝手に思うことにした。

僕はニートになったが勇者になることを諦めたわけではない、ちゃんと稼げるなら勇者になろうと思い部屋の中で筋トレは忘れなかった、もちろん剣の練習もやっていたが部屋から出る気はなかった、お金にならない勇者なんて外に出ているニートと変わりがない、僕は職業勇者になりたかったがそんな事を言っている事態ではなくなってきた。引きこもって半年、街で一番強いと言われている勇者が魔物に食べられて死んでしまった、この街ももう終わりだという噂が流れてきている、確かにあの勇者より強い勇者はこの僕を省いたらいないだろう、僕はいつの間にか魔法を使えるようになっていた、父が冒険者だったときに手にいれた魔法書を僕にくれ「野良の勇者になるなら魔法くらい覚えとけ」と言った。


父は昔冒険者だった、勇者に憧れ勇者学校に入学しようとしたが不合格で入学できなかったが仲間たちと出会い冒険者になることになった。冒険者は野良の勇者と変わらない。 野良の勇者になった父はチームを組み冒険に出たが最初の街に訪れた時に魔物に仲間の二人がやられた、チームにの二人がやられた父は街に戻り解散した。

息子にはちゃんとした勇者になってほしかったが自分の血が繋がってるからしょうがないかと父親は思ったりしたがやっぱり息子には勇者になってほしかった。

父親は息子の部屋に訪れて、魔法の書の剣を託した。家に閉じこもっているくらいなら冒険に出てもらったほうがいいと父親は思った。


父からもらった剣は自分の持ってる剣より重かった、父からは「この剣が使えるようになったら冒険に出ていいぞ」と言われた。魔法書と剣はセットになっていて魔法剣と言われている剣だったが僕は魔法なんて使えなくてもいいだろうと思っていたが父がそうやっていうなら魔法も覚えるしか無いと思い、半年使って魔法を覚えようと決め、半年必死に勉強したら魔法を使えるようになってきた、あとは冒険者を探す時だと思い二年ぶりに外に出た。冒険者は僕が勇者学校に行ってた頃より増えていた気がする。僕はギルドを募集している場所へ訪れ、冒険者を募ったが3日経っても冒険者が来ることはなかった。それなら一人で旅に出ようと決めた。

旅に出る前日の夜、父親は「行くのか?」と聞かれたので頷いた。

「仲間がいても大変だが一人だともっと大変だぞ」


「その覚悟はできてる、仲間は色んな街に行って仲間を集めようと思ってる」


「まぁ、俺は負け犬だがお前には頑張ってほしい」といって肩を叩いた、父親は途中で諦めて帰ってきたことを今も気にしている。僕が父の代わりに勇者になって魔物を倒そうと思った。

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