第14話 勇者vs冒険者

天界からおりた僕達はサンダーにのって外界に降りてきてそのままガンダー街へ向かった。ガンダー街では大きな魔物達が暴れていた、ガンダー街を守っている勇者が攻撃を仕掛けるが、勇者の攻撃を跳ね返してしまう。

「お前らどけー」と大きな声をだし魔物に「火魔法 火炎放射」をあてると魔物たちは溶けていった。 「なんだ、お前ら冒険者か、冒険者に助けられても恥をかくだけだ」というと「まだそんな争いしているの?」とねこが言う「こないだの王様の会議でも勇者と冒険者は差別しないって言う法案が可決されたでしょ」とねこが続けるが勇者はねこの話なんて聞こうとしない、僕はこの街を助ける意味がわからなくなっていた。お金がほしいとか名誉が欲しいとかで魔物に命をかけているわけでもない、そりゃあ前の王様は自分の腹の肥やしにしかしなかったから。冒険者の道を選んだが王様が変わった今は正直どっちでも良いと思っている。それなのに未だに冒険者と勇者の分け合いをしているのが格好悪いなと思った。

誰かが「助けてーー」という方向に向かうと女性が魔物に囲まれていた、この国にいる勇者が魔物を倒そうとするが魔物はかなり強かった、それを見て僕は魔物をワンパンチでふっ飛ばし勇者のメンツ丸つぶれ、女性は「ありがとうございました」といってハグをして買い物に行った。

「ここの勇者弱すぎないか?」と僕が言うと「それはお前が強すぎるだけだよ」とバースが言う、僕は自分の事を強いとなんて思った事がなかった、確かにレベル2000あれば人よりは少しは強いのかもしれないが攻撃線なんて才能だ、僕は強いんじゃない、戦いの才能を持ってるだけだと思っていた。「俺は強くないよ」というと「またカリスマ性があるとか言い出すんでしょ」とねこがいう、これが一連のネタの流れみたいになっている。大男が僕の目の前に立ち「さっきの魔物を倒したのはお前たちか?」と聞くので「そうです」というと「勝手な真似するな」と言って僕に刀を向けてきたので刀を曲げてあげると大男は怒り「俺と勝負しろ」と言ってきたが「いやです」ときっぱり断った。何故勝てると思ってる喧嘩をわざわざ買う必要があるんだ?

魔物のとの戦いはもしかしたら負けるかもしれないから面白い、人間との戦いはセンスがない人とはやりたくない、その面バースはセンスがある方だと思っているからバーストならいくらでもやってやると思っていた。

「俺と一戦交えないとかただの怖がりか」と僕の地雷を踏んだので僕は大男のお腹に三番目くらいに強いパンチを加えると見事に大男は吹っ飛んでしまった。

この街は魔物と人間が争ってるのではなく、人間同士が争っている、勇者は勇者で階級で争い、冒険者と勇者はどちらが強いかで争っている。魔物を倒すのが僕らの役目のはずなのにくだらないことで争っている。

「君はスイプーの王様の息子か?」と老人が聞いてくるので「そうです」と答えると「この街をなんとかしてくれないか?」と言われた。老人によるとこの街は魔物対人間より人間対人間の戦いが多いという、老人は「そんな戦い無駄じゃろ、お主なら止められるはずだ」といって僕の肩を叩くが僕にはそんな力も無ければ結託させる頭もなかった、ただこの街に魔物を倒しに来ただけなのに変なことに巻き込まれしまった。先程ぶっとばした大男が手下を引き連れてやって来た。

「さっきはよくもやってくれたな」


「そんなことより魔物退治したほうがいいよ」


「ここの魔物は大人しいので人間を襲うことはまずない」


「いや、さっき襲ってたけど、何言ってるんだ?」


「こいつら生意気ですね、やっちゃいましょう」と子分が言う「ここじゃ人目があるから河原まで連れて行け」と大男が言って「子分がついてこい」というので「なんでお前らに指示されなきゃいけないんだ?」と僕が言うとバース達も「そうだ、そうだ」と続けて言った、「お主達は恥ずかしくないのか?自分たちのリーダーは勇者バッチをつけていないんだぞ、そんなやつを信用できるのか?と大男がうとバースが「お前より信用できるよ」と言った。

「このままじゃ、らちがあかないから、勝ったらなんかくれるの?」


「もしも勝つことが出来たらこの街をあげよう」


「いや、街なんてもらっても困るし」


「まぁ、お前らが勝つことはないから安心しとけ、とりあえず着いてこい」と言われたので河原にまで案内された、「これは勇者と冒険者の戦いなので二人の勇者さんたちは黙って見ててくださいね」と大男が言うと二人は勇者バッチを外しポケットの中にしまった。「これで俺たちも冒険者ってことだよな」と大男にいうと好きにすれば良いと言い対決が始まろうとしている。

「めんどくさいから一気に蹴りつけようぜ」と言って駆け足で大男の前に行きジャンプをして顔面に蹴りをいれたら川まで吹っ飛んでいき川に流されていった。

残った子分たちはそれでも戦いをやめる気配がないのでバースが「火炎魔法 火の粉」をふきちらかすと「熱い熱い」と言って逃げていったが大男は泳いで戻ってきた。「なかなかやるな、こっちも本気でやるぞ」と言い僕の目の前に来て大きな拳を当てようとするが僕は拳をとって土手に投げつけた。

「なんで勝てない喧嘩するのかな」といってお腹にめいいっぱいの蹴りをいれると「そこまでじゃ」とさっきの老人が間に入ってきて「町長、おれはまだやれます」と大男が言うが「軍配はあっちにあるだろう」といって大男を黙らせた。

「ここの勇者たちは魔物より質が悪くて申し訳ない」と町長が頭を下げた。

「この大男が言ったとおりこの街はお前さん達に授けよう」


「いや、まだ僕達は冒険を続けるので街なんかいらないですよ」

「もし、僕達が悪魔を倒せた時この街をもらいにきます、それまで町長でいてください」と僕が言うと町長は少し涙を流し「ありがとう」と言った。

大男は立ち上がり「変な勝負に巻き込んで悪かった」と頭を下げた。きっと大男は悪いやつでは無いんだろうなと思った。この大男がいる限り魔物が襲ってくることもないだろうと思い握手をした。

町長が思い出したかのように隣町の「サイバー村へ言ってくれんのう?」と言い出した、サイバー村は今魔物に襲われていて大変なことになっているという、ガンダー街からも助けはだしているが、みなボロボロになって帰ってくという、僕達の次の行き場所はサイバー村となった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

無給勇者にはなりたくない 興梠司 @asahina0606

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ