鬼と人とは美しき思いを紡ぐ

人を喰らう鬼が、人を愛する。
先生が物語を語り、あやめはそれを聞く。連作のように物語は進み、最終的にはある真実が開示される。
鬼は人を喰らうものであった。
それでも鬼と人との間に何も芽生えないわけではない。
なぜ先生は物語を語るのか。そしてその物語に応じるように色を増やしていく万華鏡は何を示しているのか。
人は鬼に救われる部分もある。鬼に縋る部分もある。そしてまた、鬼も変わっていく。
そうしてある時代の節目を見たような、移り変わるのを見たような、そんな気持ちになれるのです。
ぜひご一読ください。

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