それは全て「まやかし」でしょうか

姉が、死んだ。その瞬間から、彼女の運命は坂を下るようにして、転がっていく。
さて何が真実で、何が偽りであるのか。聞くべきことばは誰のものか。信じるべきは、取るべきは、どの手なのか。

読めば読むほどに疑心暗鬼に陥り、なるほどこれは確かにホラーである。
おそろしいものは、人間である。これはまさに人間によるホラーと言えよう。
読者すら、何を信じれば良いのか分からなくなる。そして最後に手で顔を覆うのだ――「ああ」と。この言葉しか出てこないのだ、本当に。

誰も彼もが身勝手で、優しい人ほど翻弄される。果たして何が「まやかし」であったのか。
その言葉は、その感情は、果たして。
ぜひ、ご一読ください。