武蔵野八幡宮の蕨手刀の謎

　東京武蔵野市吉祥寺の「武蔵野八幡宮」の蕨手刀と坂上田村麻呂の謎について考察していきます。
　蕨手刀（ワラビテトウ）とは蝦夷（エミシ）が馬上で使用した湾曲した山刀である。
　蝦夷は騎射と蕨手刀を組み合わせた騎馬戦術を得意として、大和朝廷軍を何度も敗走させています。征夷大将軍の坂上田村麻呂をも苦しめたと思われます。
　元々、狩猟生活をしていた蝦夷の日常の刀であり、歩兵がゲリラ戦で用いたという説が有力です。
　馬上で用いたのは、蕨手刀（刀身長は50センチほど）を長大化させた「毛抜形太刀（ケヌキガタタチ）」（刀身長は70センチほど）だと思われます。
　
　「武蔵野八幡宮」の起源は坂上田村麻呂が蝦夷討伐の戦勝祈願のために、宇左八幡大社の御分霊を祀ったと伝えられています。
　昭和3年（1928）境内の…続きを読む