これは歴史が苦手なひとにも面白い

 作品のテーマとなる象徴は、初めて耳にする蕨手刀(わらびてとう)。いったい何だろうか? 読み進むにつれ、この刀には謎めいた魅力があることが分かる。

 しかも、学生時代に遊んでいた街、武蔵野市吉祥寺の「武蔵野八幡宮」からも見つかったと聞いてビックリ!
 緻密な歴史的事実の検証と共にしっかりとした文章で綴られている。
 エンディングの推察も興味深い。蕨手刀は(歌舞伎の演目で登場する)阿弖流爲(あてるい)の形見のようなものだったのかもしれない。

 ありがとうございました。