手にしたもの、手放したもの。

名前のない感情が、読後心をしめつけます。

一言一句の選定、文章の構成、そこから紡がれるある種歪で、密やかな物語。
その人にとっての明かりは、誰かにとっての残酷で、
それでも人は、それぞれに眩しい明かりのかたちを求めて行かずにはいられない。
たとえ、生の道から外れてしまっても。

作品名、「偶像」。
奇妙なまでに符合するその一言に、かすかに畏怖の念を抱きます。

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