概要
これは──『電灯の紐にパンチするやつ』を極めた男の物語。
貧しい家庭で生まれ育った少年──有村拓馬。
漫画もおもちゃもテレビゲームも買い与えられなかった彼の娯楽は、電灯の紐に向かってパンチをする『紐パンチ』だけだった。
やがて彼は高校生となり、ボクシングと出会う。そして──。
漫画もおもちゃもテレビゲームも買い与えられなかった彼の娯楽は、電灯の紐に向かってパンチをする『紐パンチ』だけだった。
やがて彼は高校生となり、ボクシングと出会う。そして──。
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!立て。立つんだ、ヒモ・ボクサー!!
ヒモ・ボクサーと聞くと、あっち(どっち?)のヒモが浮かんじゃったんですが、違います。紐です。電灯にぶらーんと垂れ下がっているアレです。うちなんかは寝室は長い紐を垂らしていて寝たまま消せるようになっていた、あの電灯紐です。
その紐にパンチして遊んでいるうちに主人公はボクサーの才能が育っていくんです。そしてプロになり、大一番の試合を迎える。
それまでの半生が流暢な文体で淡々と語られていきます。見事な短編ドラマ。
トレーニングの最中、公園で出会った女性との間に芽生える恋心とその結末。
がははと爆笑する笑いではないんですが、ハートフルコメディといいますか、熱くて爽やかで全体にユーモアがあります。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!あのヒモじゃない、ヒモ・ボクサーの恋の顛末は!?
ヒモ・ボクサーというタイトルを見て、勝手に想像しました。
プロボクサーというのは食べられないと聞く。きっと恋人に依存した生活を送るボクサー(=ヒモ)が、ついに恋人に別れを告げられ、奮起。
優勝(というのだろうか。なんか、そんな頂点的な感じのもの)して、別れた恋人に、「おれともう一度やり直してくれ!」。拍手!! 感動!! 涙!!
そんなストーリーなんだ、と思っていたら。
全然違いました。
このヒモは、「紐」だったんです。
紐・ボクサー。
ほら、昔は家の電気って、ぷらん、って紐がぶら下がっていたじゃないですか。
あの紐をサンドバッグに見立てて、パンチしたこと、ないですか?
あれ。
あれを極…続きを読む