立て。立つんだ、ヒモ・ボクサー!!

ヒモ・ボクサーと聞くと、あっち(どっち?)のヒモが浮かんじゃったんですが、違います。紐です。電灯にぶらーんと垂れ下がっているアレです。うちなんかは寝室は長い紐を垂らしていて寝たまま消せるようになっていた、あの電灯紐です。

その紐にパンチして遊んでいるうちに主人公はボクサーの才能が育っていくんです。そしてプロになり、大一番の試合を迎える。

それまでの半生が流暢な文体で淡々と語られていきます。見事な短編ドラマ。
トレーニングの最中、公園で出会った女性との間に芽生える恋心とその結末。
がははと爆笑する笑いではないんですが、ハートフルコメディといいますか、熱くて爽やかで全体にユーモアがあります。最高ですね。堪能しました。