無詠唱の魔弾士　～魔法世界で初めて銃を開発したので冒険者やってみる～

魔法銃、という武器を創り出した冒険者は、多くの人を助ける。

親父の研究は、誰からも認められなかった。
銃などという、良く分からない物よりも魔法の方が優れている。
理由など無く、多くの魔術師はそれを信じる。

「もう少しだった。銃が完成すれば、多くの人間を助けられる。
誰も魔獣の恐怖に怯える必要なんてないのに。
沢山の人を幸せにできるのに」

そう言い残して親父は死んだ。
親父は底抜けのアホだった。
職人肌で、頑固者で、自己中で、無遠慮で、楽観的な人間だった。

銃がもし完成したとして、魔法よりも強力だったとして。
きっと戦争にしか使われない。
そんな事は目に見えている。

俺は親父とは違う。
俺は銃なんて作らない。

そう誓っていたのに。

幼馴染が言う。

「私、来月には奴隷として売られ…続きを読む