君王饮酒听灿歌,解君愁舞婆娑
- ★★ Very Good!!
国一番の役者の娘が後宮に入り、皇帝お抱えの劇団員として活躍する物語です!
華劇において女の芸は重視されず、いつも注目されるのは男の芸ばかり。
しかし主人公である娘は女の身でありながらも、華劇で国一番の役者になろうと志す。
そんなとき、彼女は後宮に女だけの劇団が存在すると知り、後宮入りを決意するのです。
後宮×劇。見たことこそないものの、素敵な組み合わせだと感じました。
さらには、その設定を存分に活かす文章力もさることながら、ぐいぐいと読者を惹き込むストーリーに個性のある登場人物たちが物語を鮮やかに彩ります。
登場人物同士の掛け合いや主人公の性格も馴染みやすく、漢字が多めの重い作品が苦手な方でも楽しめるでしょう。
「酒を召し上がる、浮かない顔の君主。その憂いを歌と舞で晴らしましょう」※ひとこと紹介文の和訳です。
京劇『霸王别姬』に登場するかの虞美人も、自らが仕える君主に舞を捧げたといいます。
果たして、主人公は華劇嫌いの皇帝に熱意を届けられるのか……気になるところです!