モノクロの世界に生きる少女と感情を失った少年が出逢うことで始まる物語。
主人公のパステルはセオに惹かれていきます。ですが、セオは感情が分かりません。
パステルもセオも不器用で一生懸命です。
お互いに向き合い、お互いに成長をします。
やがて、失ったものを取り戻すために冒険に旅立ちます。
異世界ファンタジーですが、淡い恋愛物語を読んでいるようで、これからの二人がどうなるのか気になって仕方ないです。
章が進むと、色んな伏線が出てきます。
その伏線が物語を読み進めるためのアクセルとなって、読む手が止まりません。
二人には幸せな未来が訪れること、二人が成長して笑顔でいれることを楽しみにしたいです。
とてもオススメです!
是非お読みください!!
「とある少女」が「とある少年」に出会うことで始まる恋物語。純真無垢な、その少年には「とある大切」なものが失われていました。そして、その少女も「とある」大切なものを失っていました。
その「少女」と「少年」は、その「大切」なものを取り戻すために旅にでます。そして、その「旅」を続けるにつれ、お互いの「心」に「お互いの色」を書き入れていくような、そんな「共に成長する」感じの「恋物語」です。
失われていたものを取り返すかのように、徐々にお互いが変わっていく様は、透明なキャンバスに「色々な彩り」を加えていくような、そんな華やかな気持ちになれる小説です。
是非、皆様もよんでください。自分が失っていたもの。なんとなく思い出せますよ!
ボーイミーツガール、いや、ガールミーツボーイから始まる物語。
色彩のない世界で生きる少女は、感情を持たない少年と出会う。
そして旅へ。
「色」と「感情」、そして失われた「記憶」を取り戻すために。
確固としたログラインがあり、ストーリーが迷子にならず安心して主人公たちの物語を追っていける。
中心の二人だけならず、二人を取り囲むキャラクターも性格がわかりやすくとても魅力的。妖精さんも可愛くて癒されるが、推しはやっぱりラス! ラス大好き!
優しいだけじゃない、生きることの難しさ、辛さ、そして何より、感情を持たないゆえパステルの純粋な気持ちがセオに伝わらない切なさに、胸が苦しくなります。けれど、この物語の行く末には、美しい結末が待っているはず。
色が戻った時、彼女はどんな世界を目にするのか。
その情景をこの目で確かめてみたい。
第一章、読了時のレビューです。
主人公パステルは不幸な境遇の少女です。自らの運命を受け入れきれぬまま、心を閉ざして世間を斜に構えてみています。彼女の聡明さと若さ故の怒り、そのアンバランスさもまた『欠け』なのです。悲しいかな、彼女はそれを自覚しています。
そこに現れたのがセオでした。
彼女は初めて年相応の少女らしい反応を見せるようになります。この流れが素晴らしい。
ラスと言う少年の出現により、物語は大きく動き出す事になります。飄々とした態度の下に何かありそうなラス。
しかし、パステルは『欠けたもの』を取り戻す旅に出ます。
セオとパステルの過去に鍵がある。
そしてその鍵は、感情の『欠けている』セオが持っている気がします。
これ以上はネタバレになるので控えますが、既に「あれ?」と言う人物がチラホラ…
冒険ファンタジーでありながらも、ミステリーやサスペンス要素を含む作品です。作品構成が非常にしっかりしており、引き続き読みたい作品です。
『言葉だけでこんな鮮やかな世界を描き出すことができるんだ』
私がこの作品を拝読して、初めて感じたことです。
自分の作品とのレベルの違いに心底凹むことは多々あるのですが、そういう次元でなく、比較するのもおこがましいと感じた作品がいくつかあります。
この作品がそのひとつです。
どんなに素晴らしい感動的な物語であっても、それを広げることができる世界・設定が構築されていなければ、その良さは読者には伝わりません。
そして、どんなにご立派な世界・設定を構築しても、それを描き出せる力がなければ、やはりその良さは読者には伝わりません。
作者の矢口先生は、類稀なる文才により、その物語・世界観を見事なまでに描き切ります。そしてその表現力は、登場人物たちと一緒に空を飛ぶ感覚を得ることができる程です。
それは大げさではなく、多くの絶讃レビューや星の数が私の言葉の証左と言えます。
テンプレ設定の異世界ファンタジーものも良いでしょう。
しかし、自身の頭の中で描き出した独自の世界こそが『ファンタジー』だと思うのです。
そして、それを言葉の力で描き出せるのが『作家』さんなのだと思います。
(テンプレ設定の異世界ファンタジーものを否定するわけではございません!)
まずは、序章・第一章をお読みいただき、その世界を体感してください。
ファンタジーがお好きな方であれば、きっとご満足いただけることでしょう。
子供の頃に読んだお気に入りの絵本や童話の世界のような、色鮮やかなハイファンタジーです。
主人公は少女。一緒に旅をするのはどこか変わった男の子。
二人とも変わった問題を抱えていますが、それでいて何故か自分と重ねてしまい、応援したくなります。
二人はちょっとずつ惹かれあい、自分の中の欠けたものを共に探しにいきます。
ちょっとずつ惹かれあうのいいですよね。もどかしいですけどでもいいですよね。
お話毎に二人の謎が明かされ、同時にまた深まっていきます。この世界に、そして主人公の少女に、一体何があったんでしょうか。
二人の冒険を彩るサブキャラクター達も魅力的。
小さい頃にお気に入りの童話、絵本、おとぎ話を何度も読み返し、その挿絵が目に焼き付いている。そんな方にお勧めの物語です。
読んでいると目の前に浮かぶ不思議な情景に、楽し気に駆け巡る様々な妖精達。
この物語は、作者様の美しい情景を描き出す筆致が幻想的な世界をあなたに見せてくれる作品です。
貴族令嬢のパステルは、自身の視界から色を失っていた。
その特徴的な虹色の髪は美しくも奇抜で、人から後ろ指をさされ続けた彼女は自信を喪失し世界を閉ざす。
そこに、空から降ってきたように突然現れた、美しい少年セオ。
その不思議な少年の周囲では、とっても不思議なことが起こる。
洗濯ものも、泊まるところだって、不思議な力でちょちょいのちょい。
やがて可笑しくも可愛らしい妖精達が登場し、最初は暗い世界に閉ざされていたパステルにも明かりがさしてくる。
そんなパステルの隣にいることで、失われた感情に変化の兆しが見られるセオ。
こうして二人は互いに惹かれ合い、不器用に繋がりをもとめる。
そうして、過去と失われたものを求め、二人の旅は始まるのです。
宝石箱のように綺麗が詰まった物語、手に取って見てはいかがでしょうか?
まるで、児童文学を発掘したような珠玉のファンタジーワールドがつまっていました。
虹色の髪を持つ子爵令嬢、パステル・ロイドは、色を見分けることができまない。そんなパステルの元に、ある日、突然空からセオと名乗る少年が降ってきた。セオは、感情を持たず、何処から来たかも分からない不思議な少年で――。
そんな、パステルとセオの色彩とココロのを巡る物語。
個人的にはボーイミーツガールというだけで、テンションが滾ります(^^ゞ
色を視えない少女。正確には、色を記憶とともに、落としてしまったパステルと。
ココロ――感情の意味が理解できない、セオとの微笑ましい邂逅。
読み進めながら、純粋な感情を思い出してしまいました。
考えてみたら、なんですけどね
最初からみんな、何もできないし。何も分からない。感情を破裂させたり、触れたり、ぶつかっては、抱きしめたり。そんなことの繰り返しで、みんな大きくなるんですよね。
同じように、分かったふりでいる大人も一緒なのかもしれません。本当に大事なことを忘れて、色が視えなくなっていないだろうか。
この物語のパステルとセオは、打算なんか感じさせないくらい純粋です。
相手を思う気持ち。自分が何ができるか。その今できる全力でぶつかっていく。
もしかしたら傷つくかもしれない。失っちゃうかもしれない。それでも、恐れずに。そんな二人の姿に、胸を打たれるのは、読者だけじゃないはず。
色が視えないのはパステルなのか。
僕らなのか。
登場人物達なのか。
それぞれの色が攪拌されて、混色されて、キャンバスに思うがままに塗られていく、物語はこんなにも暖かい。
色彩豊かな感情はそれだけで魔法なんだって、思わせてくれます。
現在、このレビュー執筆時点で、第2章終了間近。色を求める旅はまだまだ続きます。
この美しい世界に触れてみませんか?
読者の数だけ、きっとこの色彩は増える。
そんな旅が待っています。