◎十代の少年少女が抱えるみずみずしい想いを繊細な筆致で綴った名作

――空から男の子が降ってきた――

色を認識しない少女と、感情を認識しない少年の邂逅。
静謐な筆致でつむがれる美しい詩のような物語世界に、すっと引き込まれます。
童話のような心温まるファンタジーでありながら、何度も涙があふれそうになりました。
特にセオ少年が魅力的で、彼の心情が伝わってきて胸が痛くなります。彼は”感情を持たない”はずなのに――
児童文学にも通じる素敵な作品。主人公の少女パステルの名前のように、やわらかいパステルカラーで色とりどりに彩色された風景が目に浮かびます。

なぜか紙の本で読んでいる気分になってきます。
子供の頃、図書館から借りてきたハードカバーの本を膝に乗せて、夢中になってページをめくっていたときの、あの紙の匂いを思い出しました。

(レビュータイトル先頭の◎は、どれがお気に入りだか分かりやすいように付けている自分用メモです。特にハマっている作品に付けています)

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