欠けたものを取り戻す物語

第一章、読了時のレビューです。

主人公パステルは不幸な境遇の少女です。自らの運命を受け入れきれぬまま、心を閉ざして世間を斜に構えてみています。彼女の聡明さと若さ故の怒り、そのアンバランスさもまた『欠け』なのです。悲しいかな、彼女はそれを自覚しています。

そこに現れたのがセオでした。

彼女は初めて年相応の少女らしい反応を見せるようになります。この流れが素晴らしい。

ラスと言う少年の出現により、物語は大きく動き出す事になります。飄々とした態度の下に何かありそうなラス。

しかし、パステルは『欠けたもの』を取り戻す旅に出ます。

セオとパステルの過去に鍵がある。
そしてその鍵は、感情の『欠けている』セオが持っている気がします。

これ以上はネタバレになるので控えますが、既に「あれ?」と言う人物がチラホラ…

冒険ファンタジーでありながらも、ミステリーやサスペンス要素を含む作品です。作品構成が非常にしっかりしており、引き続き読みたい作品です。

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