終章 炎風吹きすさぶ
第108話 さらば、愛しきエージェント達
【これまでのあらすじ】
濡れ衣を着せられチームBIOを追放されたレジスタンスエージェント バイオは、真実を探すため、グリと共に、Crystal Tower を登る。
だが、すべては、八騎士のNo2であるグリの奸計であることが判明した。
バイオと魔星のふじ、kurokirbyにたまごろう、和田美咲、さらに死んだと思われていたvahohoが合流し、戦況は混沌とする。
そして、世界の命運をかけたバイオとグリの最終決戦をバイオが制すのであった。
「終わったな」
クリスタルタワー最上階のへりに腰掛けながら、細めた目で地上を眺め、バイオは誰にともなく呟いた。
元の高さに戻ったクリスタルタワーでは、最上階からでも地上から手をふる和田美咲とたまごろうが見える。
バイオも、二人に手をふりかえした。
隣に腰掛けるふじに目をやると、真剣な表情で何かを見ていた。
「何を見ているんだ?」
美咲達の少し後を、kurokirbyとしろと話しながら歩く作業服の男を指差し、
「さっきvahohoに渡されたワールドマップを印刷した紙さー」
「見せてくれ。
渡すときvahohoは何て言っていたんだ?」
「何も言わず、黙ってこの紙を差し出したさー」
紙をバイオに渡しながら、ふじは応えた。
紙を見ると、ふじの言う通りワールドマップが印刷されている。
ただ、通常のものとは異なり、表示されているポータルは8ヵ所のみ。
その8ヵ所のポータルはすべてリンクを張られ、巨大なCFで世界を覆っていた。
「こいつは、八騎士の世界を覆うCFの計画書じゃないのか?
八騎士の塔はオニキスシールドのステルス機能でインテルマップで確認出来ない。
だが、こいつがあれば八騎士の塔がどうリンクを張っているか確認できるんじゃないか」
「やっぱり、やー(お前)もそう思うさー」
「ああ。
この中の最もリンクが集中している八騎士の塔を落としたら、面白そうだ」
興奮した表情で呟くバイオを見て、ふじが何かに気付いた。
「あ!
今思ったさー」
「何だ?」
「vahohoは、おいらたちがこれを見たら、こう動くと分かって、これを渡したんじゃないさー?」
「そうかもな。。」
「へ、食えないおやじさー。
で、バイオ、vahohoの思惑に乗るさー?」
「サイコだ」
「へ?」
「俺の本当の名はサイコだ」
「やー、記憶が戻ったさー?」
首を振りながら、グリから取り返したスキャナ画面をふじに見せる。
「こいつのアカウント名だよ。
だが、しっくりくる。
何か思い出せそうな気がするよ」
笑みを浮かべたふじが、
「へ、で、サイコ、どうする?」
サイコはふじに紙を差し出し、マップの1点を指差す。
「この、最もリンクが集中しているのはどこだ?」
「これか?これは、、、んーー、、
これは、エジプトさー。
クフ王のピラミッドさー」
「エジプトのピラミッドか。。
おもしれえ。
行くか」
「行くさー」
2人の頭上を、熱気を孕んだ風が吹き抜ける。
それは、若者たちの熱情の炎にあぶられた風、炎風なのかもしれない。
炎風吹きすさぶ中、エージェント達は次の戦場に赴く。
(完)
炎風吹きすさぶ ~最古の八騎士~ dobby boy @dobby_boy
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